経営者が知っておきたい源泉徴収と年末調整の意味

経営者の保険

年末になるとどこの会社でも個人にとっても、バタバタと忙しくして、せわしない気持ちになってしまいます。経営者や、経理関係の社員にとっても、年末調整や、源泉徴収の為の計算で大変な時期となります。経営者が知っておきたい源泉徴収と年末調整の意味を理解しましょう。

■経営者が知るべき源泉徴収とは、

源泉徴収とは、税金を納めることと理解しましょう。「事業の税金」と「給与から差し引かれる税金」が会社経営者や個人事業主が納めなければならない重要なことになります。

一人でも従業員がいる場合には、その従業員が納めるべき税金を、経営者や個人事業主が代わりに徴収して納める仕組みになっています。

すべての国民の税金を税務署で取り扱うことが困難になる為に、経営者や個人事業主が、代行して税金をまとめて預かり、そして納めるということです。

全国の給与をもらっている従業員個人にまかせても、税金のことについて理解しているとはいい難く、その計算ミスによる混乱を軽減する為の作業になっているといえます。これによって、税金を多く徴収したり申告漏れを無くすことにもつながっています。

■年末調整の役割とは、

年末調整と源泉徴収が同じ意味として捉えられているのが一般的ですが、微妙に違うことを理解が必要です。社員の給与所得にかかる所得税などを、ほとんどの場合が、毎月多めに徴収することになります。

12月の始め頃や年末になると、1月から12月の合計の給与所得や所得税の合計、住民税の合計、社会保険料や生命保険、配偶者控除、等などの各種控除を差し引いたりして、もらい過ぎた税金や、徴収不足金などを調整することが「年末調整」と呼ばれています。

その後に発行する源泉票を源泉徴収票となっています。「税金徴収や控除」と「もらい過ぎや不足分の調整」が年末調整であり、「税金の徴収と納税」が源泉徴収の役割で微妙に異なっています。

■経営者等は、源泉徴収義務者としての義務を負う。

源泉徴収の流れを理解していくと、経営者の助けとなるでしょう。源泉徴収を行うには「対象者の決定」「金額の計算」「税金の徴収」「納税」になります。

■「対象者の決定」を行うには、

「対象者の決定」に関しては、法律で定められたことによって決められます。支払い先が「個人」と「法人」や海外での居住者によって異なります。

①源泉徴収が個人としての範囲は、
・「支払い内容」
給与や賞与、その他の利子や配当、退職金、年金などが範囲となります。

・「具体的な報酬の対象」
デザイン料や原稿料、講演料の支払い。弁護士や税理士、会計士への支払い。外交員、集金人、プロスポーツ選手への支払い。ホステスやホストへの支払い。芸能人への支払いなどが相当します。

②源泉徴収が法人や海外での居住者の場合の範囲は、
「利子」や「配当」などとなります。

■源泉徴収の注意点とは、

①源泉徴収は、個人以外でも対象となります。
経営者は、社員個人に対してばかりでなく、法人や海外にいる個人や法人に対しても報酬を支払う場合があるということです。特に対象が法人の場合には会計の入力が特殊となるので気を付けましょう。

②源泉徴収は、法律の定めによる取引であること。
源泉徴収は、法律によって決められており税の対象が「所得税法」と「租税特別措置法」となっており、販売業や製造業などの個人事業との取引に対しては、源泉徴収の義務は、ないものとしています。

③個人事業者も法人経営者も源泉徴収義務者となる。
個人事業主や法人経営者も、町内会の報酬なども、属性に関わらずに源泉徴収となる取引の支払いについては源泉徴収することになっています。

■請求書の注意点とは

源泉徴収が、対象者の決定に対する判断に対してトラブルが起こった場合の責任は、誰が取るのかについては、「経営者などの支払い者」が義務を負う者です。

また、その罰則として「不納付加算税と延滞税」を支払うことになっています。そして「請求者」も、報酬の対象となるべき業務に源泉徴収の対象の有無確認は、トラブル防止の為に必要でしょう。

納付時期の注意点として源泉徴収を行った翌月の10日までに支払わなければなりません。ただし、弁護士や税理士等の資格がある者により源泉徴収した金額は、納期限が猶予されています。

毎月の源泉徴収に加えて、翌年1月に「支払い調書」、および「法定調書合計表」を作成するまでが、源泉徴収の役目となっています。

源泉徴収と年末調整の意味の理解「源泉徴収」に関する内容に絞って紹介しました。経営者にとって「やるべき業務」や「把握する内容」が多くなっています。時間が取れないなどの場合は税理士などの専門家にまかせることが必要でしょう。