経営者は、できれば社員に残業をして欲しくない。もちろん残業代がでることも大きいのだが、それぞれの意識が落ち残業して成果を出せばいいという、甘い認識で仕事をしていくことになりかねないからだ。今回は、経営者がどのように残業を捉えるべきか見ていく。
■成果を上げる為の工夫とは?
結論からいえば、仕事は長時間働けば良いというものではない。成果というものは、時間に必ずしも比例しないということである。
成果がでない原因があるのであれば、経営者は効率よく働ける環境や制度を、作っていかなければいけない。
成果がでない原因が残業であれば、それを取り除くことはいいことである。だが、一貫して残業をする者を、取り除くことは良いことだとは思えない。
残業をしている者=「悪」ではないということだ。そもそも、成果が上がらない者が残業をしているのであれば問題であるのだが、効率よく仕事をこなし、残業でも成果を上げている者の残業を排除するのは間違いといえる。
だが、経営者は仕事を効率よくしていく工夫を示して、社員に実行させていかなければならない。経営者は、社員がどのような働き方をしているのか見極めて、それぞれ個を見ていかなければいけないのである。
■経営者は浮いたお金を分けることができる
全ての社員の生活が豊かであるわけではない。それが故に残業手当を目当てにして、仕事をしている者も少なからずいるものだ。
もしも、会社を利用して多くの社員がダラダラと仕事をしているのであれば、残業手当としての制度を原則として「全ての社員に適用する」のはやめた方がいい。会社にとっても本人の成長にとっても悪影響であるからだ。
それよりも大切なことは、効率よく社員が成果を上げたときに、経営者が社員にどのような対応をするかである。もし、コストが下がったと喜んでいるのであれば、愚かな経営者としかいいようがなくなる。
残業が減り=収入が減り、成果が上がったにも関わらず浮いたお金を社員に分けることができないのであれば、本当の経営者とはいえない。社員のモチベーションにも影響し、何の為に働いているのか分からなくなる原因を作っただけになる。
このように、経営者であれば効率よくできた成果を喜び、社員の仕事ぶりを認めていかなければいけない。
■会社は人間成長の場である
充実した生活を送る為にも、残業を減らすことはいいことだ。早く帰宅することができるだけで、ビジネススキルを学ぶ場を求め教養を深める人もいる。肥満気味の人であれば、ジムに通い健康になるだけで、体力が増え仕事にも影響するはずだ。
それぞれが考えて、行動する場を与えることが重要なことになる。家族との時間が少ない人であれば、団らんする時間を作ることで充実した私生活を送れるものだ。
会社とは、仕事をする場を与え、魅力的な人を作る時間(場所)を与えるのが理想的ではないだろうか。社員全ての成長・幸せを考えれるのが経営者である。