新型コロナウイルスの国内感染者が増える中、企業活動にも大きな影響が出ています。このような有事に対して、企業運営に責任をお持ちの方に求められる手腕が、会社を左右します。しかし、誰も経験したことのない未曽有の事態に経営者の悩みは尽きることはありません。
悩み1:想定外の事態
経営者の悩みの中で一番多いのは、「この事態が想定外であったこと」に尽きるということではないでしょうか。そもそも、経営における「想定外」とは、「ここまでのリスクを予想できなかった」と「予想はしていたが、対策を実施すべき問題とは認識しなかった」の2種類があります。
リスクの予想ができなかった場合には、対策を実施しないのは当然です。経営者にその責任を追及するのは酷としか言いようがありません。しかし、後者の場合には、リスクが予想されたにも関わらず、それに伴った対策を講じなかったと判断したことになるので、それに対しては経営責任が発生します。
今回のケースで言えば、前者の「ここまでのリスクを予想できなかった」とされる想定外の事態となった会社が多く見られ、経営者にとっては、どのような舵取りをしていけば良いのか判断に迷う場面が多々出てくるのです。
悩み2:実際にどうすれば動くべきか?
新型コロナウイルスの状態がパンデミックとなり、企業に対して政府や自治体から「推奨」的な行政指導がおこなわれました。それを踏まえて、自社がどのように対応していくことが最善策なのか、ここでも経営者は悩みを抱えます。
顧客や取引先などの、企業が関わる利害関係を担う関係者からの責任追及を、最小限に抑えることができるかは、非常事態に陥った場合に備えていたかによって異なりますが、自社の被害を軽減し、早期に重要な業務を再開させることは、経営者に多くの判断を求める場面が出てきます。
悩み3:従業員の安全と社会的責任
新型コロナウイルスの蔓延により、感染リスクが高まった場合、従業員についても就業の制限をせざる得ない事態も想定されます。大多数の従業員を休業させる一方で、一部の従業員に出勤を命ずるケースも起こり得ます。
その際、従業員の安全確保を優先とするのか、企業の社会的責任を果たすためにはどこまで踏み込んで従業員にリスクを負わせるか、経営者にとっては頭の痛い悩みとなります。
決断をするには
いずれのケースにしても、このような有事の中で、経営者はどのように判断をすることが最善なのでしょうか。
経営者に求められる判断に、正解があるわけではなく、最終的には、それぞれの経営者が「社会主義」をどのように捉え、あらゆる角度からでき得る限り社内外の情報収集を尽くし、最終的にそれぞれの情報を、精査したうえで総合的な決断をするのが重要となるでしょう。
新型コロナウイルスによる経営非常事態は、今回限りとは決して言えません。今後も起こり得る事を想定して、ステークホルダーとの関りを重視しながら企業活動を進めていくことも重要です。
まとめ
経営者がどのような意思決定をしても、賛否両論の意見が出てきます。そこで一番怖いのは、そのような批判を恐れて決断ができなくなることです。経営者の舵取りがなければ会社の存続が危うくなることを忘れてはいけません。