日本の行政サービスは基本「申請制」と言われています。さまざまな助成金が用意されていることも確かなことですが、申請しなければその対象にはなりません。ここでは、経営者にとって助けとなる助成金を選りすぐってご紹介します。
当たり前にやっていたことも助成金の対象に
【正社員の新規雇用】
中小企業にとって正社員の新規雇用は大きな資源です。積極的な新規雇用が企業体力をつけるため、国も後押ししています。受給額は最大72万円/新規雇用人数になります。有期契約労働者などを正規雇用労働者などに転換することが必要です。
受給要件としましては、新入社員を有期雇用で採用し、半年経過した後に、賃金を5%上げたうえで正社員として再契約をおこなうこと。さらに半年後、勤務を遂げたことを確認し支給されます。雇用して1年以内に退職すると受給できなります。
また、賃金を5%あげることが必要です。法人は対象者の社会保険加入が必須なので注意しましょう。
【離職率をさげる取り組みを行う】
離職率が高いと、求人にコストがかかるうえ、スキル・ノウハウの蓄積、長期的な事業計画を阻害してしまいます。離職率を下げる取り組みは積極的に行うべきでしょう。受給額は最大72万円です。
正社員を対象に人間ドックをおこなう制度を取り入れ、1年前と比較し離職率が下がっていれば受給されます。受給要件としましては、1万円以下の安価なものでもいいので人間ドックの実施をすることです。1年前と比べて離職率がさがっていることも必要です。
従業員が10人を下まわる企業であれば、1年以内に1人でも雇用保険被保険者が離職すると受給対象にならないので注意しましょう。
【働き方改革に伴う従業員の採用】
残業を減らし、新しいツールの導入等で現存する従業員の負担を減らすことで、足りなくなったマンパワーを採用することを補うことが推奨されています。受給額は最大75万円です。
働き方改革の導入で不足した人員をおぎなうための新規採用をおこない1年以上従業員が定着した場合に支給されます。受給要件としては、インターバル制度導入の認定を受けている事業所であること、計画期間内に採用した従業員が1年以上勤務を続けたことになります。
【メンタルヘルスチェック等を導入】
年々増加する、心の不調。その健康管理に関する助成金もあります。心の健康も忘れてはいけない健康管理です。受給額は10万円になります。産業保険総合支援センターに在籍するメンタルヘルス職員からの指導に基づき、メンタルチェック等のシステムを導入した会社に支給されます。
受給要件としましては、メンタルヘルス職員と1回20分程度の打ち合わせを2回、約1時間の指導を1回受けると助成されます。受講者は経営者でも従業員でも、どちらでも構いません。人気のある助成金なのでタイミングによっては、締め切られてしまう場合もあります。出来るだけ早い申込みをおすすめします。
【生産性向上の投資を行う】
生産性向上のために積極的な投資を行い、その利益を従業員に還元することで支給される助成金です。受給額は100万円になります。生産性向上の投資などを行い、事業所の最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備への投資などにかかった費用の一部が助成されます。
受給要件としましては、
1.賃金引上計画を策定し、事業所内の最低賃金を一定額以上引き上げる。
2.引上げ後の賃金額を支払う。
3.生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行う。
などです。人気のある助成金なのでタイミングによっては、締め切られてしまう場合もあります。出来るだけ早い申込みをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか? 知らないともったいない助成金を5つ紹介させていただきました。助成金は金銭的な助けになるだけでなく、受けることで企業の信頼度にもつながっていくものです。賢く利用してみてはいかがでしょうか?