社長が注意しておきたい会社に対する訴訟問題とは?その種類を解説

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「訴訟」とは、紛争当事者以外の第三者を関与させて判断を仰ぎ解決することや、そのための手続のことです。

ビジネスにおいてトラブルが発生し、訴訟に巻き込まれる可能性もゼロではありません。

会社の関係する訴訟にはいろいろな類型がありますが、中には個人間の訴訟には見られないような特徴が見られる場合もあります。

そこで、社長が注意しておきたい会社に対する訴訟問題や、その種類について解説していきます。

株主から役員に対する責任追及

株主代表訴訟とは、株主が会社を代表する原告となり、取締役などの役員に責任を追及する訴訟を「株主代表訴訟」といいます。

取締役などの役員が会社に損害を与えたときなど、取締役会や監査役による責任追及が望ましいですが、取締役が問題を起こしても取締役会のメンバー同士馴れ合うことで適切な責任が追及されない可能性もあります。

さらに監査役も会社内部の人間のため、取締役との個人的な関係により監督や責任追及を怠らないとも言い切れません。

会社が役員に責任を追及しないときにも、株主が責任を追及できるように株主代表訴訟が認められています。

ただし株主なら誰でも株主代表訴訟が可能になれば、言いがかりのような訴訟が起きる可能性もあるため、株主代表訴訟は公開会社なら6か月前から引き続き株式を有している株主に限られています。

役員に対する損害賠償請求

取締役などの役員は会社と委任関係にあるため、業務執行に関する任務を怠り会社に損害を与えたときには損害賠償責任を負います。

会社が役員に損害賠償を請求するときには、監査役設置会社では監査役が会社を代表することとなり、それ以外の会社は代表取締役が会社を代表します。

しかし取締役の業務執行はリスクを伴い、損害を与えたとしてもすぐに賠償責任を負うわけではありません。

業務執行の経営判断が不合理であったときに限り、責任を負うことになります。

役員解任に関する訴訟

取締役など役員の職務執行に不正行為や法令違反など重大な事実があったとしても、取締役が多数派に属していれば株主総会での解任議案が否決される可能性もあります。

そこで、持株数などの要件を満たす株主なら、会社と役員双方を被告とした役員解任を訴えることができます。

役員解任の訴えは、解任議案が否決された株主総会日から30日以内なら可能ですが、訴訟中に当該取締役が退任したときには訴えの利益がなくなるため訴訟は却下されます。