取締役が負う経営リスクとして賠償責任と連帯責任がある

経営者のリスク

会社の取締役に就任している場合経営において、一定の賠償責任と連帯責任を負う事になります。会社の規模が大きくなるにつれて売上金額も大きくなり連帯御責任や賠償額も高額になります。
これらのリスクについてしっかりと理解しておきましょう。

【取締役の経営責任】
日本では会社と社長は同一と考えられがちですが、社長は個人で会社は法人という別の人格になります。
これは社長以外の取締役に関しても同様の事が言え、社長や取締役は会社と委任契約を結ぶため会社が外部から責任を問われるような事態になった場合取締役にも責任があると考えられます。

取締役が負う損害賠償責任は会社法で、以下のようなことが定められています。
・取締役は会社に対して善良なる管理者に期待されるべき注意義務を負う
・法令、定款、総会決議を守り職務を忠実に遂行する義務を負う
・会社との競業に関する規制を守り利益が相反する取引を行わない義務を負う

とあり、取締役は法令や会社の規則を守り管理者としての職務を全うし利益に対して相反する行為を行わないことが求められるのです。

【損害賠償責任】
会社が消費者などに損害を与えた場合取締役は損害賠償責任を負う事が会社法によって定められています。
取締役に生じた損害賠償責任について他の取締役も同等に連帯責任義務を負う事になっています。

責任を問われる場としては以下のようなものがあります。
株主や会社に金銭的損害を与えた場合は株主代表訴訟などを起こされ責任を追及されます。
また顧客やユーザーなど第3者に損害を与えた場合は第3者責任訴訟という形で追求されます。

【責任を免除される場合】
取締役が経営責任を問われる際に以下のような条件によっては免除される事があります。
・実際に職務を行う場合義務違反について知らなかった
・責任事項に関して重大な過失がない場合
取締役の経営責任が免除されるのはこのような条件が揃った場合と、株主代表訴訟で取締役の責任を負わない事を決定した場合です。

【まとめ】
経営者に課せられる責任というものは非常に重たいものがある事がわかりました。
経営者は現在会社の経営が順調であっても、突然に起こるこれらの経営責任のリスクに対して常に意識しておく必要があります。
そして何らかの損失に対して経営者、監査役、取締役などの役員と伴に賠償責任の連帯債務を負う可能性があるのが相続人です。
経営者や役員だけではなく、これらの相続人にも様々なリスクが発生する事を理解しておきましょう。