年々増加している労働問題!訴訟を起こされた場合の企業への影響

経営者のリスク

労働者の権利意識の向上、会社法の改正などによって企業の労使間トラブルは増加傾向にあります。経営者は、労働問題により従業員から訴訟を起こされた場合どのような影響があるのか、どんなリスクを負っているのかきちんと理解しておかなければいけません。
労働問題が起こった場合の企業への影響を見てみましょう。

【未払い賃金や残業代】
従業員から未払い賃金や残業代の請求があった場合は、その内容に間違いがないか確認しましょう。例えば、過去のタイムカードや、日報、給料の支払い明細書などを見て当時の支払いに未払いがあったかどうか調べます。従業員からの訴えで多いのが自作のタイムカードや給料の計算書です。経営者はまずこれらの訴えが正しいかどうか調査をすることになります。
労働問題を解決するためにある、労基法は労働者を保護する目的で労働者に有利に制定されたものですので、多くの場合経営者には厳しい判断がくだされることになりますので、こちら側の言い分を伝えるための、証拠集めを行いましょう。

【企業が抱えるリスク】
労働者から訴えられた場合に企業が抱えるリスクについてどのようなものがあるか考えてみましょう。

・労働基準監督署(労基署)に駆け込まれるリスク
労働者は労使間トラブルがあった場合、労基署に相談をしにいくケースが多く、その結果是告書、指導票等の書類が交付されることがあります。これらの書類が突然に送られてくると経営者も驚くと思いますが、これらには法的な強制力はありません。
しかし、だからと言って軽視したり、無視をしていてはいけません。残業代などの未払いが悪質と判断された場合は、労働基準監督官により逮捕、送検されるケースもあるからです。
このような書類が届いたら、過去の帳簿や、通帳などを調べ未払いが事実かどうか回答書を送るなどの対応をして会社の誠意を表すことが大切です。

・同種訴訟のリスク
会社全体に残業代の未払いが滞在的にあった場合その債務は数千億円、数億円にも上る場合があります。複数人が一斉に退社して未払い金の請求をしてきた場合請求額は莫大な金額になるリスクがあります。このような事が起こったら、会社経営に大きな影響を与え、経営難から倒産に陥るリスクも珍しくありません。

【まとめ】
上記の他にも労働問題から訴訟に発展し会社経営が立ち行かなくなるケースは多くあります。経営者はうちの従業員に限ってそんなことはない、と過信せずに様々なケースを考え労働問題に強い専門家に相談しながら対策を取っておく必要があります。