リスクマネジメントの基本的な方針は、リスクに対する経営者の考え方や、経営方針を反映させどのようにリスクに取り組むのかが大切になります。近年企業を取巻くリスクは、多種多様なものになっています。
まずは、どのようなリスクがあるのか7つの分野に分けられるリスクについてみてみましょう。
【リスクの7分野】
企業を取巻く、リスクには多種多様なものがありますが、それは主に下記のような7つに分類されます。
・事故損害
火災、爆発、洪水、地震、落雷、交通事故、航空機事故、労働災害、通信途絶、コンピュータダウンなど
・法務(訴訟)
製造物責任訴訟、知的財産権訴訟、環境汚染責任の発生、その他の利益侵害による訴訟提起および規制違反等による罰則の適用など
・財務
投機失敗、不良債権の発生およびその処理、企業買収、株価の急変など
・労務
雇用差別の発生、セクハラ、パワハラ、求人難、リストラ、労働争議など
・政治
戦争、革命、動乱、制度改正、貿易制限、外圧など
・経済
金利変動、為替変動、税制改正、金融不安全般など経済関連の外部要因など
・社会
企業脅迫、誘拐、テロ、機密漏えい、産業スパイなど
【5つの損失】
またこれらのリスクに対して、企業や経営者にはどのような損失があるのでしょうか?
・財産の損失
ひとたび、賠償請求などが発生した場合、企業や経営者、役員等はその財産を失うリスクがあります。
・売上損失
第三者や取引先などから、損害賠償責任請求を受けた場合、売上が減少するリスクがありま
す。
・賠償責任の負担
第三者や、取引先などに身体的、精神的損害を与えた場合、企業や経営者は賠償責任が発生するリスクがあります。
・人的損失
誘拐、テロ、航空機事故などが発生した場合人的損失のリスクがあります。
・企業イメージ損失
企業が、ひとたび賠償請求を受けた場合、企業のイメージは低下し、社会的信用を失います。
【リスクマネジメントの留意点】
リスクマネジメントを行う場合、下記のような留意点があります。
・自社にとって、リスクマネジメントを行う目的を明確にする。
・リスクマネジメントを実行する時期として、定期的に行うもの、随時行うもの、継続的に行うものなどがあります。
・どこの部署で行うのかを明確にする、またはリスクマネジメントの部署やプロジェクトを設置する。
・リスクマネジャーを置く。
・安全性と必要コストのどちらを優先させるかを検討する。
【まとめ】
このように、リスクマネジメントを行う場合は、5W1Hの視点で行うことが大切になります。
近年、企業や経営者に対するリスクは、増加しています。
また、ひとたび賠償責任などが発生すると、賠償金額は莫大なものになる恐れがあります。ぜひ、自社や役員自身に対するリスクを把握しておき、リスクマネジメント対策を怠らないようにしましょう。