予測できる【雇われ社長】のリスク

経営者のリスク

雇われ社長になると、社長としてこれまで接したことのない方と人脈を作ることができたり、収入も今までよりはアップしたり、さまざまな経験を積むことができるなどの魅力を感じることができるでしょう。しかし、社長という肩書きを背負うことになるのでそれなりのリスクもあります。ここでは、予測できる雇われ社長のリスクを洗い出し、先に記載した魅力だけで引き受けて良いものなのか考えていきましょう。

■予測できるリスク

◎業績に対する責任
業績不振に陥ったとき雇われ社長はその責任を取らなくてはなりません。株主への説明責任はもちろんのこと、自らの給与を削減したり、経費削減の徹底、最悪の場合リストラもせざるえない事もあるので、多くの従業員やその家族にも責任を持つことになるのです。一方でオーナーから経営管理ができていないという烙印を押され解任されることもあります。

◎訴訟問題のリスク
雇われ社長といっても、自身の認識とは別に、第三者からみる社長との違いはありません。それゆえに、社長が指揮を執り事業活動を行ったとみなされ、会社が不当に利益を上げていて警察沙汰になった場合はその責任を取らなくてはなりません。

また、事業がうまくいかなくなった時、従業員への賃金未払いなどが発生した時も社長の経営方針を理由とした責任を負うこともあります。この他にも、近年ではパワハラや、労働災害などで訴えられリスクも少なくありません。

◎連帯保証人としての責任
各種手続きをとるとき、やはり会社を代表する社長が連帯保証人として印鑑を求められることがあります。特に新しく事業を始めるために雇われ社長に就任し、連帯保証人になると、融資を受けたり、事業が赤字に転じたときはその支払い義務を負うことになります。また、倒産した場合、保証人はその債務を返済していくことになります。そうなると、家族への影響や、自己破産することも考えられます。

◎労働基準法や退職時の保証
雇われ社長は会社側(雇用者)とみなされて、雇われている社員とは異なると考えられ、労働基準法の適用がないので、繁忙期には残業や休日出勤をしても法律では守られません。また、オーナーとの意見の食い違いや、業績不振の責任を取らされてある日突然その職を失うこともありますが、社員のように失業保険がないので突然解雇されると生活していくための保証がないのです。

■まとめ

雇われ社長として声がかかる状況はその会社によって様々ですが、オーナーや会長が決定権を全て握っている会社での雇われ社長は、リスクも大きくなってきます。もし、引き受けることになった場合、リスク回避できるような対策を十分に行ったうえで契約をしましょう。