経営者が理解するべき税金

経営者のリスク

経営者であれば、税金のことを理解しておかなければいけない。特に注意しておかなければいけないのは、赤字であるのに支払わなければならない会社の税金がある場合だ。加えて経営者は、自分の給与をどの程度に設定すればいいのか難しい。それはやはり、税金の問題があるからだ。今回は、経営者が理解するべき税金を見ていく。

■支払う義務がある税金の種類

会社が支払うべき税金をざっくりまとめると下記となる。

・法人税及び復興特別法人税(国税)
・法人住民税(地方税)
・法人事業税(地方税)
・消費税(国税)
・印紙税(国税)
・登録免許税(国税)
・所得税(国税)
・固定資産税(地方税)
・自動車関連の税金(地方税)

このように見てみると、経営者はとても多くの税金を支払わなければいけないことがわかる。上記のうち注意しておくべき税金=「赤字でも払わないといけない税金」として、法人住民税にある「均等割」と「消費税」がある。

これは、例え赤字決算であろうと納めなくてはいけない為注意する必要があるのだ。

■経営者の給与を単純にあげると税金が大変になる

経営者は、自分の給与をいくらに設定するべきか悩むのではないだろうか。税理士に相談して年収を決める経営者も多くいるのだが、よく誤解しているのが「法人に利益を残して税金を取られるよりも、個人に移して税金を取られた方がいい」というものだ。

たしかに昔は(昭和の時代は)法人税だけでも40%台にあったこともある。だがここ最近(平成30年以降)は23.2%となっている。

実際にこれに、

・法人道府県民税
・市町村民税
・事業税

などが加算され、これを法人実効税率と呼び、平成30年度から30%を切るように設定されている。一方、個人の所得税・住民税の合計税率は55%となっている為、総合的に判断をすると法人で税金を納めた方が安いという結論になるのだ。

■赤字が出た場合の税金対策とは?

多く黒字が出れば、国にがっぽり税金を取られるのにも関わらず、赤字になっても国からお金を貰い助けてもらうことはできない。特に中小企業にとって深刻な問題になっているのだが、年度ごとに黒字と赤字の差があるのであれば、下記の対応方法がある。

・繰戻還付
例えば、前年は法人所得が黒字で税金を払ったのに、今年度は赤字になってしまった場合に赤字分を前年の黒字から差し引いて税金を取り戻す手段=「繰戻還付」がある。これが認められるのは、資本金1億円以下の中小法人のみとなる。

・繰越控除
例えば、前年は赤字だったが今年度は黒字になる場合は、赤字を黒字(法人所得)から差し引くことが可能だ。資本金1億円以下の中小法人は、赤字の100%の控除が認められている。それ以外の会社は控除できる割合が制限されている。

このように、黒字になることもあれば、赤字になることもため、経営者は税金対策としてさまざまな視点で見ることが大切なのだ。