経営者は、万が一の場合の「破産」について考えておくべきでしょう。会社の経営をするにあたり、リスクに備えておくべきです。経営者は自分の生活も大事ですが、会社を守る事にも責任があります。今回は、経営者が破産した場合の対処について紹介しましょう。
会社が破産した時の経営者責任
経営者は会社の借入債務やリース債務を保証人として、引き受けている場合が多いです。小さな会社ほど責任の割合が、経営者に多くのしかかります。会社が破産した場合には、経営者も同時に自己破産する事になります。個人の破産手続では、免責を受ける可能性もあります。会社だけが破産した場合には、連帯保証債務を含む個人債務を背負う事になります。
経営者個人の資産について
自己破産では、経営者個人の資産の提供も必要になります。個人の所有財産のほとんどは、お金に換えて債務の支払いに充てる事になります。自宅もなく今後の生活に困る場合には、負債の免責が受けられる事もあります。
会社の債務の責任
経営者の責任は、連帯保証人になっている事が多いので、会社の負債は経営者に移行してきます。払える可能性があれば、次の行動へと進めるのですが、会社の責任の対処が困難であれば、自己破産の方法も仕方のない選択といえます。会社が「法的処理」をする場合には、個人破産の処理を、地裁から処理するように勧めています。
経営者個人の自己破産の運用
負債の規模によって、換価する財産が大きい場合に「管財事件」として扱い、それ以外の少額の場合には、「少額管財」として扱います。予納金(裁判所に納める保証金)は20万円以上からとなります。破産処理を安く速く、簡易に済ませてあげるという運用の仕方が財産の少ない「少額管財」に適用されます。
会社の債務は免責されない
会社の倒産で経営者が逃げても、債権者から請求されるのですが、5年の時効によって請求はされなくなります。ですが、免責はされていないので責任はあります。解決の方法は、少額管財を実現する事が望ましいのです。有能な申立て代理人の弁護士を確保する事で、ダメージを少なくして処理する事が可能になります。
万一に備えた保険の加入
自己破産は、決して良い方法ではありません。経営者は倒産や破産に備えて、事業保証などの会社を守る保険に加入する事も重要です。会社の業績が悪化した場合でも、赤字のリスクをカバーする事で、持ち直したり再生する事が可能となるかもしれません。
資金繰りの為の保険
保険料の支払いは、経費となって節税にもなります。赤字の時には、払い込んだ保険料を解約する事で、資金繰りの助けになることもあります。
退職金準備の為の保険
保険によって退職金を効率よく積み立てる事も可能です。「全額損金タイプ」「1/2損金タイプ」「1/3損金タイプ」に加入する事で、解約のタイミングにそれを退職金に充てる事ができます。
まとめ
会社の倒産では、自己破産もやむを得ない場合があります。しかし、万一に備えて経営者の為の保険を活用する事で、会社の危機を乗り越える事や、リスクを減らす事ができます。是非とも検討下さい。