経営者の格言から学ぶ

経営者のリスク

松下幸之助をはじめ、名前の通っている経営者の言葉は、しばしば格言として使われることが多いのは事実です。かのように経営者の発した言葉が格言になる為には、やはりその経営者の功績だけではなく、その方の人格というものも大きく作用しているようです。では数々の格言の中から、その経営者の言わんとすることに目を向けてみましょう。

格言とは

聞く方の人生に少なからず良い影響を与える言葉で、辞書などを引きますと「人生の真理を短い言葉でのべ、助言や訓戒として用いる言葉」とあります。

松下幸之助の格言

松下幸之助の言葉は殆どが格言と呼んでも良いほど、重みのある言葉が多いのは有名です。松下幸之助のように多くの格言を残した経営者は少ないと思います。少し例を挙げるなら

「楽観よし悲観よし。悲観の中にも道があり、楽観の中にも道がある。」

「どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない、いま、現在に最善を尽くすことである。」

「志を立てるのに老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ず開けるのである。」

等々、数え上げればきりが無いほどの名言・格言を残しています。松下幸之助の人生そのものが、格言で出来ているようなものであったからだと思います。

格言になる言葉

これらの他にも欧米の古典文学からも、また古来の哲学者の言葉なども多く格言として用いられることがありますが、これらの例を見てみますとやはり格言とはその言葉の意味というよりも、その言葉をもしくは文章を発した本人の人生哲学というようなものが大きく作用しているようです。いわゆる、人格者の言葉が格言として後世まで伝わっていくのでしょう。

格言をどう活用していくか

人間は時として節々で思い悩むものです。その時に何をすれば、悩みや迷いは解消されるのかさらに悩みは尽きませんが、それでもやはり生きている以上同じ場所に踏みとどまってばかりではいられません。そのような時、先人の知恵(格言)から行うべきことのヒントを見つける事も一つのきっかけにはなるかも知れません。そのように格言には説得力も持つものが多いのです。

格言は見つけるものではないのです。ふと気づく事が多いのが格言です。読書をしていてふと目に留まった文節が、なるほどと納得のいくものだったり、人から聞かされた言葉が心に沁みていくように、妙にしっくりとした感じになるのが格言です。

学ぶのは成功からだけではない

格言とは万人に共通するものでは無いようです。人によっては何でもないただの言葉にしか感じない物や、全く持って意味を持たない物だったりすることはよくある事です。格言を残した経営者は、全員が成功者とは限りません。失敗の連続といった事を繰り返した経営者の言葉にもやはり、成程と納得の出来る格言はあります。失敗から学ぶことが多いのも事実です。

まとめ

探してたどり着くものでは無いのが格言の様です。ふとしたきっかけで出会えるものが、格言と言えるものかもしれません。最近では、メジャーリーグのイチロウの言葉に感銘を受けたという方も多いのではないでしょうか。イチロウも立派な経営者だという事に異論は無いと思います。そういう風に、何かの誰かの言葉に感銘を受けたり影響されるのは時としては良い事だと思いますが、それらの言葉ばかりに頼り切るのは、これはこれでまた、少し考えなくてはならない事でしょう。