企業を設立するためには、お金を準備する必要があります。実際に、どの様な費用がかかってくるのでしょうか。今回は、法人と個人経営者が企業を設立する際に知っておくべきお金の知識について解説していきます。
個人事業主について
個人事業主とは、事業を開始したことを証明するための書類である「開業届」を税務署へ提出して、個人で企業を営む人のことです。同じく個人事業主として分類されている「フリーランス」の場合は、開業届は提出しないことが多い様です。
利点は法人よりも初期費用の削減が出来る点と、一定の所得であれば課税される額が少ない点、そして赤字になった場合は住民税・所得税を負担しなくても良いとされている点です。
法人について
法人は、株式会社・合同会社・NPOなどの種類があり、会社法によって認められている組織です。個人事業よりも社会的な信頼度が高く、金融機関から融資を受ける際も申請しやすいです。また、経費として申告出来る範囲が広く、節税がしやすいという点も大きなメリットです。
企業設立時の初期費用について
個人事業の場合は、前述した様に開業届の申請のみなので、初期費用に税金などは含まれません。一方法人に関しては、設立する際の手続きに登録免許税・定款認証手数料を納付することになるため、10万円程度は用意しなくてはなりません。(※法人の種類によって費用は異なります)
株式会社の設立時にかかる費用について
株式会社の場合、資本金が25万円・登録免許税は15万円、または資本金の0.7%。登記申請は約2000円。定款認証手数料は約5万円(印紙代は4万円)、登記簿謄本や印鑑証明書などのその他の雑費として、約1万円かかると想定することが出来ます。事業内容によって費用の合計額は異なってきますが、100万円程度必要だと言われています。
合同会社の設立時にかかる費用について
合同会社の場合は、株式会社と比べると課税される額が小さく、資本金は約10万円・登録免許税は6万円、または資本金の0.7%です。登記申請にかかる費用は、株式会社と同じ額となります。そして、定款認証は行わなくても問題ありません。手続きも簡単に出来る事から、年々合同会社を選択して設立する起業家が増えてきています。
事業開始後にかかる費用について
多くの方に自分の事業を認識してもらい成長させていくためには、ホームページやチラシなどを作成する「広告費」が必要です。そして、企業を立ち上げたら取引先との関わりもどんどん増えていくので、その際に重要となる名刺も作成することになります。
それから、業務に必要な備品を取り寄せる際にも「設備費」がかかります。また、自宅で開業するのではなく、事務所や店舗を確保する場合は、賃貸費(改装費・保証金なども含む)がかかります。
まとめ
経営者として企業の設立を検討されている方にとって、お金に関する情報は重要です。個人事業と法人でも設立時にかかる費用は異なります。そして、法人の場合も種類によって税額が大きく異なるので、把握したうえでお金の調達を行いましょう。