経営にあたり実践したい税金対策は「役員報酬」が鍵?

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中小企業の場合、会社の株式や出資金額の一定割合以上を同族関係者が保有している同族会社であることが多いですが、この同族会社が節税について考える場合「役員報酬」に注目しましょう。
例えば経営者の家族が従業員として働いているなら、家族にも給与を支払うことになるでしょう。さらに経営の一部を仕事として行う役員にして、多く報酬を支払う方が節税になるケースが多くあります。

ただ役員報酬を増やすだけは危険
ただし単に役員報酬を増やしてしまうと、税金や社会保険料の負担が変わりますので、会社の利益に対する法人税率を下げて会社の税金を減らすこと、その上で役員報酬に対する個人所得税率を下げ個人の税金を減らし、社会保険料の負担をできるだけ軽減させることができる役員報酬の額を決めることが必要です。
例えば役員報酬に対する所得税の税率は、5~45%に分かれていて、住民税の10%と社会保険料率を合算させたものになります。
1人あたりの税率で考えた場合、役員報酬が年1,000万円の場合の税金と社会保険の負担率は45%ですが、これを経営者とその配偶者にそれぞれ500万円ずつ役員報酬として支払っていれば35%に下げることができます。

利益とのバランスも必要
まず役員報酬は毎年変更することが出来ますので、会社の利益とのバランスを考えながら適正な額での設定が必要です。
役員報酬を経費に落としていくためにも、会社の利益は年800万円を超えると税率は33.8%と最大になりますので、800万円以下にし、20~30%台に下げることが望ましいでしょう。
さらに税金だけでなく、どのラインで社会保険料の負担額が上がるかにも注意する必要があります。

役員賞与はどのように支給する?
役員報酬の金額は自由に設定できますが、税金が左右されるので一定要件を満たすことが必要です。そこで会社の経費として確実に落とすために、役員報酬を毎月の定期同額給与と事前確定届出給与に分けて考えて行きましょう。
定期同額給与とは毎月同額支給される給料のような役員報酬で、事前確定届出給与は賞与のような役員報酬だと理解してください。役員に対する賞与は原則として経費にはできないので、事前確定届出給与という形で支給することにより経費にすることができます。
なお、役員に対しての賞与の額と支給時期を前もって税務署に届け出しておき、予定通り支給することが条件として必要です。ただし業績が予定していたよりも低かった場合、役員賞与であれば支給しないことも可能です。

役員報酬変更の時期にも注意
なお、役員報酬は年度開始日から3か月を過ぎて変更した場合、経費に落とすことができない部分が発生します。
3か月を過ぎた事業年度の途中で役員報酬を増額した場合には、翌事業年度まで増額した役員報酬部分は経費として認められませんし、反対に減額した場合は減額する前の部分が経費として認められなくなりますので注意しましょう。