雇用慣行賠償責任保険とは?適用範囲と加入するメリット

経営者の保険

雇用慣行賠償責任保険とは、従業員から不当解雇や、セクハラ、パワハラ、差別、不平等などの理由でクレームが生じた場合に法人用保険で保障するものです。
企業として、これらの事態が発生しないように研修や勧告を頻繁に行っても防ぎようがない場合があります。この保険の適用範囲や加入するメリットについてみてみましょう。

【保険が適用される範囲】
適用される範囲としては、主に下記のような事例があります。
・セクハラ、パワハラ
・不当解雇
・人種差別、性別差別、年齢差別、宗教差別
・昇格制度
・給料やボーナスの不平等
・採用時の不平等
などの差別や、不平等、ハラスメントなどに対して保険が適用されます。

【保険に加入するメリット】
経営者や、役員がどんなに気を付けていても社員が、他の社員に対してハラスメントや、差別、不平等を行う可能性はあり、これらを全て防ぐ事は難しいでしょう。
また、お金目的で訴訟を起こされる場合も多くあります。どのような理由であっても、弁護士費用や、訴訟費用は多額にかかりますので企業はそれらに対する備えをしておく必要があります。もしも、何も備えがない場合は、役員個人の財産からこれらを支払う事になり、私的財産を守る事ができません。
損害賠償責任保険に加入していれば、従業員や元従業員などから会社が訴えられた場合でも弁護士費用や、訴訟に係る費用、敗訴した場合の損害賠償金をカバーする事ができます。

【賠償責任保険を選ぶポイント】
現在、多くの保険会社から賠償責任保険が商品として売り出されています。多数の中から保険を選ぶ際のポイントになる事は、何がカバーされるのかという事よりも、どのような点がカバーされないのかを調べそのリスクについて理解しておきましょう。
保険料の安さだけで安易に決めるのではなく、保障されない部分と、それを自社で補填する場合のデメリットなどを考慮して慎重に保険を選びましょう。
まずは保険の見積もり書に記載されている保険除外項目をよく読んで、わからない点についてはそのままにせず積極的に保険の担当者に聞いてみましょう。

【まとめ】
昔に比べ現在では、セクハラや、差別、不平等などを理由に会社を訴える従業員は増加傾向にあります。
雇用慣行賠償責任保険の適用範囲と加入するメリットについてしっかりと理解をしたうえで、経営者や役員は訴訟を起こされた場合のリスクに対しこれらの保険で備えておくと安心でしょう。