労働問題で審判をした場合にかかる費用は?費用を抑える方法

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近年の非正規雇用者の増加、労働環境の悪化、セクハラ、パワハラの増加などから、労働審判を利用する人は近年増加傾向にあります。また、期日が3回以内で、迅速に解決ができるというメリットも利用者増加に繋がっています。そこで気になるのが、費用の問題です。労働審判を行った場合、どれくらいの費用がかかるのか詳しくみてみましょう。

【自分で行った場合の費用】
まずは労働審判を弁護士に依頼せずに、自分で申し立てをした場合の費用についてみてみましょう。

・印紙代
労働審判を申し立てする場合、申し立て書に印紙を貼る必要があります。印紙の金額は、請求する金額や紛争の種類によって異なります。

(未払いの残業代を会社側に請求する場合)
請求する金額によって印紙代が変わり、100万円請求する場合は5千円の印紙代がかかり、200万円を請求する場合には7500円の印紙代がかかります。
印紙代がいくら必要になるかは、手数料早見表というものがありますので参考にしましょう。

(不当解雇の無効を請求する場合)
性質上、金銭に換算することが難しい請求については請求金額160万円とされその金額に対して、印紙代が必要になります。ちなみに160万円の場合、印紙代は6500円となります。

・郵券代 
印紙代の他に相手に書類などを送付する際に郵便切手代(郵券代)が必要になります。郵券代は、裁判所ごとに異なりますが、2千円程度あれば済むでしょう。
自分で申し立てをして、相手側に直接請求する場合は上記の費用だけで済みます。
次に弁護士に依頼した場合を見てみましょう。

【弁護士に依頼した場合の費用】
弁護士に依頼する場合、以下のような金額が必要になります。

・相談料
弁護士に相談をする場合、30分5千円程度が相場となっています。

・着手金
弁護士に依頼することになった場合、その事件に着手するために弁護士に支払う費用です。請求する金額が大きくなるほど高くなり、相場は請求額の約1割程度です。また、相手に金銭の請求をする労働裁判以外は、15~20万円が相場となっています。

・報酬金
会社から金銭を回収できた場合、弁護士に支払う費用で、相場は請求額の20~30%です。金銭の請求以外の労働裁判では、給与の約2か月分が相場となっています。

・実費
これら以外に、印紙代、郵券代、コピー代、裁判所までの交通費などが実費として請求されます。

【労働審判の費用を抑える方法】
労働審判で弁護士に依頼したいが、相談料が高いので悩んでいるという人は、まずは30分や60分の時間制限のある無料相談を利用してみましょう。
また、申立書の作成や送付などの簡単なものは、自分で手続きをするようにすれば、費用を抑えることができます。
未払い残業代などの費用を回収するために、労働審判で多額の金額を支払うのは本末転倒です。できることは、自分で行い費用の削減に努めましょう。