経営者の中には長期間に渡り多額の年金を支払ってきた方や、現在進行形で支払い続けている方もおられるでしょう。
支払う側から貰う側になったとき、その年金は「相続」できる場合があることをご存知でしょうか?
今回は、年金を相続できる権利である受給権について紹介します。
【年金の種類】
はじめに、年金の種類について確認しておきましょう。
年金は大きく分けて2つあります。1つは公的年金、次に個人年金です。
公的年金は、1.国民年金と2.厚生年金があります。(2015年10月に共済年金は厚生年金に統一されました)
1.国民年金は、公的年金すべての基礎部分で、基礎年金と呼ばれます。
2.厚生年金は、国民年金の上乗せとなる部分です。厚生年金保険料は、国民年金保険料に増額したものです。将来、受け取る年金が増えます。
個人年金(私的年金)は、老後に受け取れる金額を増やす目的の年金です。これは、生命保険・損害保険を取り扱う企業の年金型保険サービスや個人型確定拠出年金(iDeCo)があります。
【相続できる年金】
では、相続できる年金はどのようなものかみてみましょう。
相続できる年金は、遺族年金・退職年金・個人年金の3つがあります。
遺族年金とは、公的年金に一定期間以上加入して受給資格を有しており、被保険者が亡くなった場合に遺族に対して支給される公的年金のことです。
退職年金とは、会社を退職する際、退職金を一括で受け取らず、半分を退職金として残りの半分を、退職年金として受け取る場合の年金のことです。
個人年金とは、契約時に定めた年齢(60~65歳)から一定期間もしくは、生涯に渡って受け取れる貯蓄型の保険のことです。
【年金受給権】
年金受給期間中に、被相続人がなんらかの事情で死亡した場合、相続人が残りの期間の年金を受給できる権利が発生します。これを「年金受給権」といいます。
公的年金の場合は、配偶者もしくは子どもが相続人となります。個人年金の場合は、契約時に被相続人が書面にて相続人を指定するのが一般的です。
気を付けなくてはいけないのは、相続した年金も税金(相続税)の対象となる場合があります。基本的に、遺族年金は相続税の対象外、退職年金と個人年金は相続税の対象となります。
【最後に】
いかがでしたでしょうか。
資産・会社以外にも、年金も相続可能です。経営者の方は、残された大切な人に少しでも財産を残せるよう、早めに専門家の税理士や弁護士、司法書士などに相談しましょう。