はじめに経営者の壁といえる問題は「お金の管理」ではないだろうか。会社のお金を自分のお金と勘違いしてしまう人もいるはずだ。今回は、経営者のお金の管理方法をシンプルに分かりやすく解説していく。
■3つの口座を持つことが大切
会社のお金の流れを把握するのであれば、損益計算書(PL)、貸借貸借表(BS)、キャッシュフロー計算書(CS)を知っておきたいものだ。だが、お金のことについて勉強をしたことのない人からいわせれば「なんのこっちゃ」である。
これらの勉強をはじめてみて、すぐに分からなくても大丈夫だ。まず大切なことは、3つの口座を管理することで「お金の流れ」を見ていきたい。
■口座1つ目「入金専門口座」~ステップ1~
まずはじめに、法人名義(個人事業主の場合は屋号付き口座)を用意し、売上入金専用講座にする。できれば、それぞれ別の銀行ではなく3つの口座は、統一した方がいいだろう。なぜなら、振替の手数料が無料になるからだ。
銀行にいく手間を省きたいのであれば、インターネットバンキングを利用する手もある。可能であれば、入金専用の口座には「全ての売上を入金する」ことが理想だ。そうすれば、あとで見返した際にすぐに売上を把握することが可能になる。
もっといえば、クレジットでも現金でも「売掛」でも、入金専用の口座に入れることだ。さすれば、会社の売上金の把握を月単位で可能で、会社の残金も簡単に把握することができるといった具合である。
ポイントは、お金の流れを通帳を見るだけで把握が可能なことである。
■口座2つ目「出金専用口座」~ステップ2~
こちらも法人口座が理想なのだが、同じ銀行に2つの法人口座を持つことが難しい為「個人口座」でも大丈夫だ。だが、あくまでも支払い専門の口座として利用する際には、他の目的では使用しないことが条件である。
会社を運営するにはさまざまな経費がかかるものだ。例えば、固定費でいえば「光熱費」や
「電話代」さらに「家賃」である。
流動費であれば、消耗品費(交際費)や人件費があるのだが、これらも出金専用口座で管理することだ。例えば、エクセルで出金額を毎月管理し、その都度出金用口座にお金を移動(振替)することも可能だ。
確実にお金を管理するには、めんどうだなと感じる部分をしっかりしていくことなのだ。理想をいえば、毎月支払い後「出金専用口座」にお金が残っていない状態である。
■口座3つ目「プライベート専用口座」~ステップ3~
法人の場合は「役員報酬」という形で、給与として毎月法人から「プライベート専用口座」に入金する。個人事業主であれば、お金が必要になればこの口座を利用してお金を移動するといい。
注意点は、個人事業主の場合、プライベート専用口座にお金を移動した分が「給与」と同じ扱いになることだ。例えば、合計500万円移動すれば、その人の所得が500万円となる。
経営者になったばかりの頃というのは、自分のお金と会社のお金を分けることが、よく分からないもので、会社のお金=「自分のお金」という認識に陥りやすい。
このような場合「会社」=「他人」と、シンプルに考えるといいだろう。自分ではないのだから、しっかり丁寧に整理して(対応して)いかなければいけない。