会社を経営して行く上では、定款に定めた会社内の規則を守るだけでなく、社会的な法律に関係する問題にも対処しなければなりません。会社経営には、事業を遂行する為の法的な解決も求められるのです。経営者が法律問題に対処すべき事とそのリスクについて紹介しましょう。
経営者が抱える法律問題
会社に関係する法律は、至るところに存在しています。社員の就労時間に対する規則は、働き方改革によって注目されるようになっていますが、未だに守っていない会社も存在しています。営業上の取引では、利益を追求するあまりに販売価格を安く強要する事や、入札談合などの不当な取引制限などは、独占禁止法に触れる事にもなります。
1.事業を始める場合の法律リスク
事業を立ち上げる場合には、事業を始める場所での所有権や、事業の内容における利権関係を解決しなければ、商品を売る事さえできなくなります。会社の屋号や商品名の使用についても、商品登録や特許の申請をしておかないと、後から始めた事業者に利権を吸い取られる事になってしまいます。
2.取引に関係する法律リスク
取引先や消費者に対しても法律があります。特定商取引法や消費者契約法、製造物責任法などの法律が適用され、消費者の自由な意思による契約や損害に対して対処が求められます。個人事業や大企業でも、法律を守った上で社会的な行動に責任を課しているのです。海外との取引を行う上では、外為法などの法律や様々な規制に対処する事も必要です。
3.会社内での法律リスク
税務上の処理において節税が脱税になっていないか処理する必要があります。経営者においては、利益の追求にこだわるあまりに粉飾決算や金融商品取引法に違反しないようにする事です。犯罪ともなれば、会社自体の存続の危機に陥ります。不当な労働環境やブラック企業と言われる問題は、企業のイメージだけでなく、法的措置にまで及びます。
経営に関する内部情報や企業秘密、個人情報などの漏洩における問題は、会社の利益だけでなく会社のイメージにも影響を与えてしまいます。
経営者が法律問題に対処すべき事
起業や新事業においては事業の立案をし、それを具体化・実行する事と、その管理が必要になります。これまで述べてきたあらゆる法律問題に対処するには、どの様にすればよいのでしょうか。
経営者は事業を行う上で、ある程度の法律の知識が必要です。しかしながら法律家でない限り専門的な知識を駆使する事ができません。経営者が会社の法律問題に対処するには、会社の事業戦略の重要部門として「法務部門」の設立を必要とします。
顧問弁護士も必要ですが、経営上の実行においては、事業計画の実行チームと法務部門のサポートチームが会社の価値観とリスクに対応して行くのです。また、法務部門は創業や新事業だけでなく、あらゆる部門に対しても行動や実態において関与する事を認める必要が出てきます。
経営者も含めて公正な立場に立った独立した部門であるべきでしょう。実際のかじ取りは、経営者が行う場合であっても、法律問題を対処すべき専門的な部門が必要なのです。
まとめ
経営者が法律問題を知らなかったと胡麻化す事はできません。会社の存続に関係する大きなリスクとなるため経営上の必要な知識を学ぶ事はできますが、法律の対処にあたっては顧問弁護士や法務部門によって専門的な対応をする事が、会社の存続を維持する為のリスク管理となるはずです。