「経済制裁」とは、国際的な取り決めなどに違反した国に対して行う措置の1つです。
制裁の対象となった国とは輸出入など貿易をしないことにより、経済的ダメージを与えて問題を正そうとするために用いられる手段といえます。
そこで、経済制裁とは具体的にどのようなことを行うのか、会社経営で知っておきたい基礎知識の1つとして説明していきます。
経済制裁による効果
「経済制裁」とは、国際的な決まりなどに反した国に対し、行う措置の1つです。
制裁措置の対象になった国との貿易を断絶することなどで、相手国に経済的ダメージを与え、そのダメージから問題を正すために行います。
たとえばロシアのウクライナ侵攻など、他国に侵攻し戦争を起こした場合や、国際法に違反した場合などが例として挙げれます。
実際、経済制裁でどのくらいの効果があるかは様々であるものの、貿易が断絶されれば食料などすべて自国生産に頼ることになるため、調達を輸入に頼っている国などの場合には効果が見込める可能性が高いといえるでしょう。
また、戦争を理由とした国に経済制裁すれば、その国は戦争に必要な物資の輸入もできなくなります。
戦車などの燃料として使用される石油や、銃や戦車の機体の材料である鉄や金属など輸入ができなくなるため、戦争を続行することができなくなり戦争拡大を防ぐ効果も期待できることになるでしょう。
武力制裁前の手段として用いられる場合もあり
国際連合では、国連軍発動により武力制裁するケースもあります。
そしてこの武力制裁の前段階に、経済制裁を実施するケースも見られます。
経済制裁は国際連合の前身である国際連盟時代からある措置で、過去にはイタリアや大日本帝国などがその対象となりました。
国際連盟になってからも経済制裁が実施されたケースは複数あり、目的に応じて実施されます。
制裁として効果が見込めないケース
経済制裁を行っても、効果が見込めないケースとして、たとえば多国と貿易している国に対し貿易遮断など実施する場合が挙げられます。
経済制裁に参加していない国との間では貿易が続くため、その貿易だけで経済を賄うことができれば問題ないからです。
このようなケースにおいては、経済ダメージを与えることはできず、高い効果は見込めなくなるでしょう。
制裁に加わらない国ばかり利益を得るリスク
経済制裁に加わらない国かがあれば、これまで貿易できていなかった状況を改善させるきっかけになる可能性もあります。
他国が貿易を遮断している状況をチャンスととらえ、経済制裁対象国と貿易を継続すれば多くの利益を得ることも可能です。
結果的に制裁に加わらないほうがよいと考える国を増やすことになるなど、効果が期待できなくなる場合もあります。