損害賠償とは、違法行為や不注意で他人に損害を与えたとき、損害を補償することです。
債務不履行や不法行為などで損害を与えた相手に、損害を補償することを意味しています。
たとえば他人が大切するものを壊したときには、代金を弁償することなどを含みます。
そこで、損害賠償について、発生するケースと請求権の時効について簡単に紹介していきます。
損害賠償とは
「損害賠償」とは、契約違反や不法行為による損害の補填を請求することであり、加害者側が損害を補償することです。
損害賠償は民事上の責任とされており、以下のケースで損害賠償請求することが多いといえます。
・貸したお金を返済期限が過ぎたのに返してもらえないケース
・歩道を歩いていると後方から自転車に追突されたケース
・借していたものを誤って壊われたケース
・暴行により他人にケガを負わせてしまったケース
・自動車の交通事故で相手にケガを負わせてしまったケース
損害賠償請求できるのは、治療費や通院にかかる交通費、破損したモノの修理代や買い換え費用などです。
また、事故などで介護が必要になったときには、介護費用や義手義足などの装具も対象となります。
損害賠償は民法により、別段の意思表示がないとき金銭でその額を定めるとされています。
損害賠償請求とは
「損害賠償請求」とは、契約違反や不法行為で生じた損害を補填するために請求することです。
法的な根拠となるのは不法行為と債務不履行で、このうち不法行為による損害賠償請求は、故意や過失で他人の権利または利益を侵害したときに生じた損害を賠償する責任を負うとされています。
債務不履行による損害賠償請求は、債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき、生じた損害賠償を請求するとの規定があります。
損害賠償請求の時効
損害賠償請求は、たとえば以下の期間を経過すると消滅時効を迎えます。
ここでは2020年4月1日以降に発生した交通事故または消滅時効が完成していない人身事故について紹介します。
・死亡による損害…死亡日から5年
・傷害による損害…症状固定日または治癒日から5年
・後遺障害による損害…症状固定日から5年
・物的損害…事故発生日から3年
なお、上記の症状固定日とは、損害賠償請求を行う上での概念であり、治療を続けても症状改善が望めない状態を示します。
傷害による損害の起算点が事故発生日ではなく症状固定日や治癒日とされるのは、治療終業後に後遺障害による後遺症があらわれることがあるからと理解しておきましょう。