役員の健康診断とは?経費計上する上での条件などを簡単に解説

経営者のリスク

役員の健康診断でも、経費として計上することはできます。

ただし、健康診断は経費として計上できても、人間ドックは対象になりません。

そもそも労働者性の強い工場長や支店長などの役職は健康診断の対象であるのに対し、代表取締役などの役員は一般的に企業とみなされるため健康診断の対象にはならないといえます。

そこで、役員の健康診断について、経費計上する上での条件などを簡単に解説します。

 

役員の健康診断の扱い

役員は、与えられている役職によって、健康診断の受診対象になるのかそうでないか異なります。

仮に役員待遇でも、工場長・支店長などのように、労働者性が強ければ健康診断の対象です。

その一方で、代表取締役などの役員は、健康診断の対象外となります。

 

健康診断費用の経費扱い

個人事業主の健康診断や人間ドックの費用は経費で落とないのに対し、会社役員の健康診断費用は経費として計上できます。

ただし、役員の人間ドックは基本的に経費計上できないため注意してください。

従業員の場合は、健康診断だけでなく人間ドックの費用も経費で落とせます。

これは、従業員には1年以内に1度の健診を行う義務があるからです。

 

健康診断費用を計上する上での条件

従業員の健康診断や人間ドックにかかった費用は経費として計上できますが、次の3つの条件をすべて満たすことが必要です。

・すべての従業員が同じ検査内容で健康診断や人間ドックを受けること

・行う検査が一般的な内容であること

・事業者が健診実施機関に対し費用を直接支払うこと

労働安全衛生規則第44条では定期健診で行う項目の規定があるため、確認しておくとよいでしょう。

検査項目に添った内容なら経費として認められます。

危険な業務に従事する従業員に関しては、追加の検査を必要とする場合もあるため必ず確認してください。

 

一人代表の健康診断費用の扱い

一人代表の健康診断費用に関しては、福利厚生費として経費計上できます。

本来、法人が役員や特定地位の人のみの費用を負担するときには給与課税されるため、役員給与損金不算入の規定で健康診断費用は損金算入できません。

しかし、一人代表の会社の場合には、役員のみに経済的利益を与えていることに該当しないため、一般的な内容による健康診断費用なら経費として扱えます。

なお、従業員を雇用したときには従業員の健康診断費用の負担をする必要があることにも注意しておきましょう。