パワハラが起きた場合に問われる企業の責任とは?

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パワハラで損害賠償請求されるケースも

 パワハラとは、職場における職務上の地位や影響力を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する行動を行い、相手や周囲の人に心身の苦痛を与え就業環境も悪化させることを言います。

 

 

もしもパワハラが原因で労働者が精神的にダメージを負いうつ病になったり、最悪の場合自殺してしまったという場合には企業は損害賠償請求される可能性があります。

労働者に対する企業の責任とは

 企業は労働者に対して次のような責任を負っています。

 ・安全配慮義務

企業は労働者の生命や健康を損なわないように危険から保護するように配慮する義務を負っています。

・使用者責任

企業はパワハラを行った加害者である労働者の使用者ですので、労働者が損害を与えたことについての責任が発生します。パワハラが発生したという場合には上記の責任に違反しているとみなされるため、企業はその責任を負う必要があります。

どこからどこまでがパワハラ?パワハラの境界線

 多くのパワハラは上司から部下に対するものです。上司は部下を指揮命令して指導する立場ですので、実際行われた行為がパワハラなのかを判断することは困難な場合もあります。業務上必要な指示を適切な範囲で行うことはパワハラには該当しませんので、それ以外で次のような行為がパワハラに該当します。

・暴行、脅迫など刑法に触れる行為

・法律違反行為を強要する行為

・人格や尊厳を侵害する言動

パワハラは労災保険の対象?

 仮にパワハラが原因でうつ病になったり自殺などに追い込まれた場合で、疾患と労働者の間の因果関係を証明できるのであれば、労災認定を受けるという方法もあります。

労災保険とは

労災保険は労働者災害補償保険法に基づく制度です。業務上災害や通勤災害で労働者にケガや病気、障害、死亡等が起きた場合、労働者やその遺族に所定の保険給付が支払われる国の制度です。

労災認定による企業側のデメリット

労災保険を使用した場合には、発生する給付金額によって労災保険料率があがります。また、業務災害発生状況の詳細を記載する必要があり、製造業や建設業でおきた重大災害の場合には労働基準監督官による臨検もあります。そのようなことからも、企業は出来る限り安全と衛生の確保を行い労働者の福祉の増進に寄与することが重要となります。

労災保険は労働者と企業を守る保険

業務が原因で発生した災害を業務上災害といいますが、労働基準法にも使用者が療養補償などの補償を行わなければならないと義務付けています。労災保険に入っておくことで労働者は補償を確実に受けることができますので、使用者側も労働者に対しての補償負担が軽減できます。労災保険は精神障害にも適用されますので、パワハラなどによるストレスで発病した場合も該当します。

ただし労災はあくまでも最低限の補償のみ

労災保険は業務上災害による損害を被った労働者に対して補償が行われますが、決して十分な補償とはいえません。補償金額が高額になれば企業の規模次第で経営にも大きく影響することになります。そのため不足が生じる場合などに補うことができる体制を整えておくことが必要です。