自らが起業して経営を行う方をオーナー経営といいますが、雇用されて会社経営を行うサラリーマン経営者とは、会社や経営に対する考え方、会社での立場に大きな違いがあるといえます。
そこで、オーナー経営者とサラリーマン経営者、それぞれの考え方や立場の特徴についてご説明します。
オーナー経営者は会社のお金をどのように考える?
まず、オーナー経営者の場合、起業するにあたり自身の資金を投じていることや、そこから苦労を重ねてやっとの思いで会社を発展させてきた流れがあることから、会社のお金も自分のお金と考えることが多いようです。
そのため、発生する経費などもなるべく無駄が発生しないよう、コスト削減などにつとめ確認を行います。
サラリーマン経営者の経費に対するスタンス
しかしサラリーマン経営者は、会社のお金は会社のもの、自分のお金は給料からという認識があるため、どちらかといえば経営者として多く経費を使ったほうが得だと考える傾向があります。
例えば接待交際費、タクシー代などの交通費、いちサラリーマンでは使いにくい経費もどこまで権限で使えるのかとつい考えてしまうようです。
オーナー経営者の場合は、オーナー自身が会社のお金も自分のお金と捉えてしまいがちなので、経費としてお金を使っていけば総額で見た場合、それほど違いは出ないかもしれません。ただ、基本的な捉え方や考え方が異なってくるとはいえます。
派閥に対する立場の違い
また、サラリーマン経営者の場合、既にできあがっている会社の風土や方針に従うことになり、社内の派閥などにも対応しなければなりません。
これがオーナー経営者になると、自分で方針をある程度決めることができ、派閥争いなどにも加担する必要はなくなるでしょう。
仮に創業後に社内派閥ができたとしても、人事の権限はオーナーに集約されていることが多い点で大きな違いがあります。
同様にサラリーマン経営者の場合、決裁なども社内でその事柄に関係する人たちの根回しなども重要になりますが、オーナー経営者なら一存で決定することもできます。
結局どちらのほうがメリットはあるのか
建前として内部統制によりそれぞれの意見を尊重しながらという形でしょうが、そもそも株式を半数以上保有して人事権も得ている経営者に、反対しようと考える役員は多くいません。仮にいたとしても、解任の対象となるなど立場が危うくなるため、そのような危ない橋は渡ろうとしないはずです。
そのように考えると、オーナー経営者のほうがサラリーマン経営者よりも決定権を所有する面では自由であると考えられますが、雇われているわけではないプレッシャーはサラリーマン経営者より重いといえます。
いずれにしても責任のある立場である認識が必要
オーナー経営者とサラリーマン経営者、どちらも同じ経営者でありながら立場や会社に対する考え方など、違う部分は多くあります。どちらが良いというわけではありませんし、いずれにしても組織の経営について責任を持つ立場であることには代わりないのです。