社長や経理担当者が知っておきたい妥当な経費率とは?計算方法と目安について解説

企業経営情報

「経費率」とは、純資産総額に対し必要な費用の割合です。

数値が低いほど利益率は高くなるため、収入に対するコストバランスを知り、重要な経営指標として分析することが求められます。

仮に入ってくるお金よりも多くコストをかけて事業を続ければ、いずれ手元の資金は枯渇し倒産してしまうでしょう。

中小企業の社長が安定した経営を目指す上でも、コスト目標を立てることと適正な経費水準を知ることは欠かせません。

そこで、経理率とはどのくらいが妥当なのか、計算方法やその目安について解説していきます。

経費率の計算方法

経費率とは会社の収入に対する経費の割合であり、どのような比率で構成されているかを意味します。

会社の収入として、売上と売上総利益がありますが、経費率を計算するときにも売上と売上総利益のどちらを使うかによって次のように計算式がわかれます。

売上高経費率=(経費÷売上)×100

売上総利益高経費率=(経費÷売上総利益)×100

会社経営ではコストは最小限に抑えつつ、利益は最大にすることが求められるため、コスト目標を立てることはとても重要といえるでしょう。

コスト目標を立てずに行き当たりばったりの経営をしているときや、誤ったコスト目標を掲げていると、衰退の一途を辿ることになりかねません。

安定経営を目指すためにも適切なコスト目標と経費率を設定し、実現させていきましょう。

経費率の目安

中小企業の適正な売上総利益高経費率は、以下のとおりとなっています。

目安として参考にするとよいでしょう。

・経費率80%以下…優良水準

・経費率90%以下…標準水準

・経費率100%以下…改善余地あり

・経費率100以上…危険水準

経費率100以上の危険水準の場合、収益よりも多く経費がかかっている状態であり、赤字経営に陥っていることを意味します。

早急にコスト削減対策を立てて、経費率を100%以下に抑えるように改革してください。

経費率を活用した目標設定の手順

経費率を活用し、コストを見直すときの目標設定は、次の2つにより行います。

・経費率と人件費率の算定

・経営改善の数値目標の計算

それぞれ説明していきます。

経費率と人件費率の算定

売上総利益・経費合計・人件費・人件費以外の経費・営業利益を抽出して売上総利益高経費率等を求めます。

経費率=(経費合計÷売上総利益)×100

人件費率=(人件費÷売上総利益)×100

人件費以外の経費率=(人件費以外の経費÷売上総利益)×100

営業利益率=(営業利益÷売上総利益)×100

経営改善の数値目標の計算

会社の経費率等がどの水準か判定するために、経費率等の実績と適正水準を確認後、経営改善の数値目標を計算します。

経費削減目標=適正水準-実績

人件費削減目標=適正水準-実績

人件費以外の経費削減目標=適正水準-実績

営業利益目標=人件費削減目標+人件費以外の経費削減目標