国内経済を図る指標として「景気動向指数」がありますが、この景気動向指数は外国為替市場に少なからず影響を与えるものであり、2国間通貨取引などが発生するFXでは重要な指標となります。
そこで、景気動向指数とは何なのか、その種類と国内経済の指標として活用するポイントを解説していきます。
景気動向指数とは
「景気動向指数」とは、景気全体の現状や将来動向の予測の際に用いられる経済指標で、たとえば産業・労働・金融など経済にとって重要であり景気にも敏感とされる項目の景気指標をもとに算出されます。
今後の経済動向を予測するとき、方向性の判断を目的として作成された指標です。
景気動向指数の種類
景気動向指数の指標は次の29系列が採用されています。
・先行指数11系列
・一致指数9系列
・遅行指数9系列
先行指数は数か月先の景気動向、一致指数は現状の景気。遅行指数は先行指数や一致指数から半年から1年遅れ反応することが特徴です。
景気動向指数には、次の2つの種類に分けることができます。
・CI(コンポジット・インデックス)
・DI(ディフュージョン・インデックス)
それぞれ種類ごとに解説します。
CI(コンポジット・インデックス)
「CI(コンポジット・インデックス)」とは、景気動向の量感判断に用いられます。
基準年100で比べることになり、単月の景気動向に左右されないよう移動平均値を使った一定期間の動向把握が必要です。
前月の数値と比較したとき、増減の変動が大きいときには景況が急激に変化しているといえるでしょう。
DI(ディフュージョン・インデックス)
「DI(ディフュージョン・インデックス)」とは、景気の変化の方向性判断のために用いられる指標です。
プラスが占める割合が50%を上回るときには景気拡大局面と判断でき、下回るときには後退局面と判断できます。
国内経済の指標として活用するポイント
景気が上昇し始めたときには、雇用を増やしていく傾向が見られるため、景気に先行した求人数増加などは先行指数といえます。
労働市場では、好不況が景気に左右されやすいため、有効求人倍率は一致指数といえるでしょう。
そして景気が改善され収入も増えれば消費も増加し経済は活発化します。
反対に景気が悪くなれば収入も増えず、できるだけお金を減らしたくないという意識が働くため消費も減少し経済は停滞します。
これらは家計消費支出であらわわれますが、景気に遅行し動くため遅行指数といえます。