交通事故に遭うと誰でも慌ててしまいがちですが、行動すべきことを頭の片隅に入れておけば安心です。
交通事故現場の加害者が取るべき行動は義務化されていることから、違反をすると罰則の対象になることも認識しておきましょう。道路交通法では緊急措置義務として次の義務が定められています。
・車両の運転停止
事故を起こした場合には運転者またはその他乗務員は、運転をすぐに止め、事故被害者の状況、さらに被害車両の損傷の程度についての確認を行う必要があります。
・負傷者の救護措置
事故が人身事故であれば最も大切になるのは人身救護措置です。負傷者がいれば110番や119番に連絡して早急に救助を求めましょう。
応急措置方法も確認しておくと、1次救命措置が命を助けることや症状を軽くするケースも多いため役立ちます。また、周囲に看護関係者がいないかの確認を行うことも必要になります。
・危険防止措置
そして事故の確認の中で車を道路に停めたままでは、後続車が追突事故を起こす危険性もありますので、道路の脇道に車を移動させることも必要です。
二次被害の発生を防ぎ、後続車両の誘導を行うなど混乱を避けることも大切です。夜や街灯の少ない場所では、発煙筒や三角表示板などの使用で事故現場であることを知らせることも必要になります。
緊急措置義務に違反した場合
これらは義務として定められていますので、違反すると罰則を受けることになることを理解しておきましょう。どのような罰則を受けることになるかについては次の通りです。
・運転者への罰則
車両等の運転者が、上記の規定に違反した場合には、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処することが規定されています。
さらに、人の死傷が運転者の運転に起因するものの場合には10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するとも規定されていますので、規定は守るようにしましょう。
警察への報告義務
事故を起こした車の運転手は、上記の緊急措置義務後に警察に報告することも規定されています。この届け出を行わない場合には、道路交通法に違反していることになるためやはり罰則の対象です。
・報告義務を怠った場合の罰則
警察に事故の事実を報告しなかった場合には、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処することが道路交通法で規定されています。
事故の不申告は、当て逃げやひき逃げと捉えられる可能性もありますので、必ず報告するようにしましょう。
一部業務の中で事故が起きた場合の対応
緊急自動車や傷病者を運搬中の車両、乗合自動車、トロリーバス、路面電車で運転者が業務中に事故が発生した場合、業務のため引き続き車両を運転する必要があるというケースもあるでしょう。
この場合にはその他の乗務員に規定の措置や報告を任せて車両の運転を継続することができることも道路交通法に定められています。
社内で報告義務の徹底を
事故を起こしてしまった場合には、パニック状態に陥りその場から逃げてしまうという可能性も否定できません。そのため日常の業務で車両を使うことが多い会社などは従業員に対し、もしも事故を起こしてしまった時に取るべき対応についてしっかり徹底しておく必要があります。