訴訟提起とは、国の定める書類を裁判所へ提出して裁判を起こすことです。
原告またはその訴訟代理人が裁判所に訴状を提出することで行われる手続であり、訴状に請求の趣旨・原因・請求金額・病状などを記載した書類を、収集した証拠書類とあわせて提出します。
そこで、訴訟提起について、会社訴訟の種類と株主代表訴訟とは何か簡単に解説します。
訴訟提起の流れ
訴訟の提起の流れは、以下のとおりです。
・請求金額や病状などを記載した訴状を作成
・収集した証拠書類と一緒に裁判所へ提出
・給付額に応じて印紙と切手を準備
・指定日に裁判所へ出向き和解手続開始
訴訟の提起は、決着のつかない法律問題について、当事者同士の主張を述べて最終判断を下してもらう手続です。
会社の訴訟とは
会社の訴訟とは、企業活動に関する訴えを幅広く指していますが、厳密な定義はありません。
個人間の争いを除く範囲の紛争で、通常の民事訴訟と企業固有の訴訟に分けられます。
会社の訴訟には、会社役員が善管注意義務や忠実義務に違反したことで会社に損害を与え、会社から損害賠償を求められる会社訴訟や、株主が会社を代表し責任を追及する株主代表訴訟などがあります。
以下で詳しく説明します。
会社訴訟の種類
会社訴訟には、以下の種類があります。
・会社訴訟(会社役員が善管注意義務や忠実義務に違反し、会社に損害を与えたときに、会社から会社法を根拠に損害賠償を求める訴えを提起する訴訟)
・株主代表訴訟(取締役などの経営者の違反行為や経営判断ミスなどにより会社が損害を被ったとき、株主が会社を代表して責任を追及する訴えを提起する訴訟)
・第三者訴訟(役員が重過失で取引先などに損害を与えたため第三者から提起される訴訟)
株主代表訴訟
「株主代表訴訟」とは、株主が会社に代わって役員や監査役などの責任を追及し、受けた損害を賠償させることを目的に訴訟を提起することです。
会社が法令違反などで損害を与えた役員などの民事責任を追及し、ガバナンス適正化を図ります。
第三者訴訟
第三者訴訟とは、会社役員が故意や重過失で取引先や株主などの第三者へ損害を与えたときに、第三者から損害賠償を求められます。
役員が第三者に責任を負うのは、悪意・重過失があったときなどです。
役員などがその職務を行う上で悪意または重大な過失があったときには、当該役員はこれによる第三者に生じた損害を賠償する責任を負うとされています。