要注意!加害者が死亡した場合賠償責任も相続する事になる!

企業を取巻く危険

相続と聞くと、財産や会社など良い事ばかりを想像しますが、亡くなった人の借金や賠償責任等の負の遺産についても、相続する事になるため注意が必要です。
賠償責任を相続するとは、どういう事なのかまたそれを放棄する方法はないのかという事について確認しておきましょう。

【賠償責任を相続するとは】
賠償責任とは、主に被害者に対して身体的、精神的損害を与えた場合や、物的損害を与えた場合に対して加害者側が請求される権利を言います。
例えば、親が死亡し会社を相続した場合、その企業が消費者に対して損害賠償請求をされていた場合、その後を継ぐ後継者に対しても損害賠償請責任は引き継がれ相続されます。
また、事故の加害者となった本人が事故で亡くなって、相手も死亡させた場合、加害者の法定相続人は遺族に対して損害賠償責任を負う事になります。
この他にも、親の借金を子供が相続する事はよく聞く話です。
このように相続は、正の財産についてだけでなく負の財産についても相続する事になるため相続時には注意が必要です。

【実際の相続割合】
では、実際にはどのような割合で負の財産を相続する事になるのでしょうか?
相続の割合は正の財産を相続する場合と同様に、妻と子供がいる場合妻には2分の1の割合、残りの財産については、子供の数で割る事になります。
妻と子供1人の場合、それぞれ2分の1ずつ損害賠償責任が生じる為、半分ずつ相続する事になります。
但し、加害車両が会社の保有物であったり、業務中に起こった事故の場合会社にも損害賠償責任が生じますので、割合は変わってきます。
事故を起こし過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪などの懲役を、相続人が相続する事はありませんが、損害賠償責任については、このように法定相続人が相続する事になりますので覚えておきましょう。

【相続権の放棄】
それでは、このような負の相続を放棄する事はできるのでしょうか?
相続人というのは、法律で決められた人の事を指しますが、遺された遺産を絶対に相続しなければならないという訳ではありません。
正の遺産、負の遺産両方に対して相続人は相続をしない「相続の放棄」という権利を持っています。
相続を放棄する為には、裁判所で所定の手続きを取る必要があります。交通事故の場合、加害者が死亡した時点から3か月が相続の放棄が出来る期間になります。
3か月以内に相続を放棄する申述書を提出する事になり、それを過ぎると放棄する事が出来なくなりますので気を付けましょう。

【まとめ】
相続には、このように損害倍諸責任という負の財産もある事を知っておきましょう。
また相続を放棄する際には、3か月という期間がある事、一度放棄をした財産については特別な事情がない限り取り消す事が出来ない事など、気を付ける点があります。