企業は、経営が悪化し融資金の返済が難しくなった場合、融資先である金融機関から「経営改善計画書」の提出を求められる場合があります。経営者は「経営改善計画書」とはどのようなものか、またその作成のポイントなどについて詳しく知っておくとよいでしょう。
【経営改善計画書とは】
経営改善計画書は下記のように大きく分けて2つあります。
・長期の経営改善計画書
経営戦略として長期的に、前向きな経営環境の変化をすることが目的です。
変化する経営環境へ柔軟に対応し、5年、10年かけて長期的に経営改善を行っていくための方法を示します。
・短期の経営改善計画書
資金繰りが悪化し、早急な対応が求められる場合のもので短期での経営の変化を目的としています。
決算等で債務超過に陥り、借入金の返済が困難になったり、金融機関から新規の借入が困難な場合に作成します。緊急事態を乗り越えた場合は、長期の経営改善計画書に変更します。
【作成時のポイント】
では、経営改善計画書を作成する上でのポイントを見てみましょう。
・5年以内に債務償還年数が10年以内かつ資本正を達成する計画を作る。
・一定以上の手持ち資金がある状態で、手持ち資金で経営を回しながら、返済金額は極小で設定する。
・5年計画に沿ってその進捗を随時金融機関に報告しながら経営改善を進める。
・金融機関の心象は重要になりますので、年度更新の際や、経営改善計画書の提出時、新規借入時などには丁寧な対応を心掛ける。
・金融機関は、経営改善計画書の作成をした会社を継続的にモニタリングする為、継続的に経営状況がわかる資料の提出が必要となる。
【早期の対策が重要】
経営者は、日々の雑務や社員の教育などやるべきことが山積みです。日々多忙にしている為、自社の経営課題に気づくのが遅れるケースも少なくありません。自社の経営課題に気づいたら、放置せず早期の対策を取る事が重要です。放置期間が長くなればなるほど、後に企業は大きな影響を受ける事になります。
企業のトップに立つ者は、経営環境が日々変化している事を知り、あらゆる角度で経営を見ていく目が必要になります。
【まとめ】
経営者は、金融機関からの借入が困難になってから、慌てて対策を取るのではなくそれよりも前に自社の経営課題に気づき、早期の対策を取る事が重要になります。時に、昔のやり方や経営を見直し、その時代に合った経営方法を模索することも必要でしょう。