経営者だから「哲学」を語れる

企業を取巻く危険

哲学とは何かと問われても、多くの人は答えに困ることでしょう。「人生」などのキーワードをもとに、深堀をして小難しい議論ばかりで、社会生活の役には立たないイメージを持つかもしれません。しかし、経営者である方なら、「経営哲学」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

経営理念とは哲学である

社員が見える位置に「経営理念」を掲げている会社をよく見かけます。その経営理念は経営者が考えて形にしたものが多いのですが、この経営理念こそが経営者の哲学といえます。

経営理念を形にするために、様々な体験や読書をしたことでしょう。ただ単に言葉を書き出すということではなく、また人の言葉を借りればよいということでもなく、自分自身を高めることが必要になってきます。それこそが哲学を持つということなのです。

そのようなことから、経営者が読んだ本、接した人、商品、お客様とのつながりなど、経営者としての経験値が高くなるほど、経営理念は経営者の哲学によって変化をします。

経営理念は社員に浸透することで、目指す方向や価値観を共有することができ、同じ方向を向いて仕事に取り組むことができます。そういう組織は強くなるだけでなく、人間としての生き方などを盛り込んだ経営理念を持つことで、社員の働く意欲が高まることもあります。

このように、経営者が経営をしていくために哲学することで、社員にも影響を及ぼすことにつながるのです。

経営者の哲学を浸透させるには

経営者も30代、40代、50代と歳を重ねるごとに経験値も高くなります。同じ人間でも経験値を積むことにより、考え方も変わってきます。そうなると、これまで取り組んできたことを活かした哲学を持つようになります。

では、その哲学から導き出された経営理念を社内に浸透させるにはどうしたらよいのでしょうか。それには、経営者としての哲学を経営理念として形にし、各職場のリーダーに浸透させることが重要です。

その方法は、幹部向けの研修を行うことが有効であるとされています。もちろん、リーダー研修をする前に、役員向けの研修を行い、役員が同じ気持ちでトップダウンしていくことも重要です。

まとめ

「経営哲学というものは、経営問題を解決するための基本原理を提供するものである」と、アメリカ経営学会の機関誌『経営学会誌』第1巻第3号(1958)において、述べられています。経営者は会社の発展のためにも、経営の哲学を持って行動していきたいものです。