私たち日本人にとって明るい話題となるはずだった東京2020五輪。新型コロナウイルスの感染拡大により、この年は別の意味で忘れられない年となりそうです。さて、日本のオフィス環境は、新型コロナウイルスの「3密」の条件が十分満たされた環境とされるスペースが多いのが現状です。こちらでは、「3密」を避けるためにできることをご紹介しましょう。
新型コロナウイルスはどのように感染するのか?
人から人へと感染していく感染症は、ウイルスや細菌によって感染経路は異なり、新型コロナウイルスの感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」と考えられています。
飛沫感染とは、病原体を含んだ鼻水や唾液、痰などが、病原体を持つ人が咳やくしゃみなどをすることで飛び、粘膜に付着することで感染します。飛沫が飛ぶ範囲は、気象や風向きなどの条件によりますが、一般的に2m以内に30分程度、同じ場所にいれば感染する可能性があります。
接触感染とは感染者がくしゃみや咳をした後、ウイルスが付着した手で物に触れることで感染者のウイルスがそうした物質に移ります。感染者以外の人がそれらの物質を触れることでウイルスが手に付着し、感染者に接触しなくても物質を介して感染することを指します。
3密を避ける
濃厚接触者を生まないためには3密を避けることが重要です。換気の悪い密閉空間、多くの人が密集している場所、互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる密接場面という3つの条件が同時に重なる場は、感染リスクを拡大させると考えられています。
労働衛生の3管理にわけて説明すると、作業環境管理の点ではテレワーク、フレックスの導入、室内の換気、人と人との間隔を2m確保、会議を減らす、ミーティングの時間短縮、会議の参加者を減らす、出張や会食を自粛するなどです。
作業管理では、マスクの着用を義務付ける、手指消毒の徹底、手洗い時にうがいをするなど。
体調管理の点では、起床時に検温し体調が悪い時は出勤しない、在宅勤務での生活リズムを維持する、混雑する場所へ出歩かないとこが該当します。
〇テレワークやフレックスタイムの活用
テレワークをすれば物理的に接触する人が減るため、感染リスクが減ります。公共交通機関は混雑をする時間帯を避けることでリスクを下げ、通勤時の濃厚接触を減らすことができます。
〇会議、出張、会食
これらを完全になくすことは事業を行う上では困難であるとする場合には、以下のような対策を検討しましょう。
●会議:原則はテレビ会議にします。会議室を利用する場合は、10名以内、人と人の間は空席とし、隣の人との距離は2m以上確保します。会議の時間は30分以内とし、会議室の窓を開けます。
●出張:国内外問わず不要不急の出張は禁止とします。海外渡航の際には、最新の現地情報を外務省のWEBサイトなどで確認をし、医療保険・アシスタント会社などの契約を行います。
●会食:不要不急の会食は禁止とします。参加人数は10名未満、人数に見合った会場よりも余裕のある会場を用意し、立食パーティーは避けます。
まとめ
まだまだ都市機能が止まるほどの破滅的な状態とはなってはいないものの、今が正念場です。経営者にとっては、大変大きな災禍ですが、経営者の行動や意識で従業員を守ることは可能ともいえます。オフィスが感染源とならないよう、3密を意識して取り組んでいきましょう。