社長が検討するべき企業統治の特徴と実践するメリット・デメリット

企業を取巻く危険

企業統治とは、会社が株主・従業員・顧客・地域社会などの立場を踏まえつつ、透明・公正・迅速・果断な意思決定を行う仕組みのことです。

会社の社長は、株主の利益を最大化するため企業運営を行うものとされていますが、そのためにも企業統治は欠かせません。

そこで、企業統治とはどのようなことか、その特徴や実践するメリット・デメリットについて解説していきます。

企業統治の特徴

日本の企業の内部統治構造は、

①銀行派遣役員・親会社派遣役員など以外では内部昇進者を取締役会とする構成
②取締役と経営執行者が分離されていない
③取締役会の規模が大きい
④パフォーマンスに非感応な役員報酬

といった特徴があります。

日本の企業統治改革は2013年から始まりましたが、成長戦略の一環として位置づけられています。

社外取締役選任を実践する企業も増え、株主還元の過去最高更新など一定の成果も見られます。

企業統治の必要性

「統治」とはガバナンスのことであり、コーポレートガバナンスは「企業統治」はコーポレートガバナンスです。

企業経営における公正な判断・運営のため、監視・統制する仕組みをコーポレートガバナンスといいます。

そのため企業に関わるステークホルダーの利益を守るために、企業統治が必要と考えられるでしょう。

企業統治を実践するメリット

コーポレートガバナンスを強化する企業統治の実践で、法律・規則。倫理を守ることのできる企業と認知されるようになります。

その結果、社会的信用は向上し優良企業として成長し続けることができるでしょう。

企業価値が高ければ社会での企業評価は上がるため、利益も上昇しやすくなると考えられます。

なお、マネジメントとガバナンスはそれぞれ意味が異なることを理解しておきましょう。

ガバナンスは外部利害関係者によって行う経営者の統治であり、マネジメントは経営者によって行う従業員層の管理のことです。

それぞれ誰が誰を管理するかが異なるため、その意味も理解しておくとよいでしょう。

企業統治のデメリット

企業がコーポレートガバナンスに取り組むことにより、ビジネスのスピード感が失速してしまう可能性はあります。

たとえば経営陣のみで判断すればすぐに決断可能という場面でも、企業統治による監視が入ればスピード感を損うこととなり、それによってビジネスチャンスを逃す可能性も否定できません。

それらを踏まえた上で企業統治に取り組むことが必要といえるでしょう。