中核子会社とは?子会社が上場するときの判断や審査内容について解説

企業を取巻く危険

上場会社などの子会社とは、それぞれの証券取引所に上場している純粋持株会社の中核子会社となります。

純粋持株会社とは、株式など所有することで国内会社の事業活動を支配することを主たる事業とする会社です。

そこで、中核子会社とはどのような会社なのか、子会社が株式上場するときの判断や審査される内容について解説していきます。

中核的な子会社とは

中核的な子会社とは、

・事業目的や内容、地域などの事業ドメインが極めて類似している子会社

・親会社のグループのビジネスモデルで重要な役割を果たす子会社

・親会社グループの収益・経営資源の概ね半分を超えている子会社

などです。

これらの中核的な子会社の場合、親会社と子会社が上場する証券取引所が異なることも想定されるため、それぞれの証券取引所では考え方を共有した上で協調し対応することとしています。

子会社の上場審査

子会社が上場した場合でも、事業活動の様々な面で親会社やグループからの支配や影響を受けることとなるでしょう。

経営基盤の独立性が脅かされる問題や、親子間の営業取引などによる利益相反が起きる問題などで、子会社または親会社の利益が犠牲になる取引も起きてしまう可能性があります。

子会社や株主の利益が阻害されることを意味するため、子会社の上場審査は親会社やグループ企業の状況を勘案しつつ、子会社の株主の利益保護を重視した要件を加えています。

中核的な子会社である場合

親会社と実質一体とされる子会社が中核的な子会社ですが、中核的な子会社が上場するときには、企業グループ・子会社の事業特性・事業規模・過去の業績状況・将来の収益見通しなどで総合・慎重に判断されることになります。

東証の場合

東証の場合には、役員構成・兼務状況などをコーポレート・ガバナンスの観点で審査していきます。

親会社は開示が有効であるものとし、次のいずれかの状況にあることが必要です。

・親会社などの株券が国内証券取引所に上場している

・新規上場申請者が経営に重大な影響を与える親会社などに関する事実など会社情報を適切に把握できる状況であり、新規上場申請者の経営に重大な影響を与えるものを投資者に対し適時・適切に開示することについて親会社などが同意していることを書面で確約している

JASDAQの場合、親会社は過半数所有会社とされていますが、同様の判断基準で審査が行われます。