私達にとって身近な民事訴訟法とは?民事訴訟の種類と申請方法

経済

平成10年1月1日に約70年ぶりに民事裁判の基本ルールを定める民事訴訟法が改正施行されました。民事訴訟法や民事訴訟の種類と申請の仕方についてみていきましょう。

【民事訴訟法とは】

民事訴訟に関する手続きに関して定めた法令や裁判所の規則などを含めた日本の法律で適正かつ迅速な民事訴訟制度の構築を図る事を目的に制定されました。民事訴訟法をわかりやすく言うと私たちの生活上に起こる個人間の様々なトラブルを決められた判断基準に従って解決する方法や手順を言います。身近なトラブルでは交通事故や、家賃の未納分の支払いや、賃金未払いなどがあります。このように民事訴訟は話し合いでは解決できない金銭が絡んだトラブルを民事訴訟法の手順やルールに沿って解決していくのです。

【民事訴訟の種類】

民事訴訟は大きく分けて3つに分類されます。それぞれについてみてみましょう。

(通常訴訟)

通常訴訟とは個人の間の法的な紛争や主に財産権に関する紛争の解決をする訴訟です。例えば賃金の未払いや、借金の返済、不動産の明け渡し、人身損害などがこれにあたります。これらの紛争は民事訴訟法によって審理がおこなわれます。

(手形小切手訴訟)

民事訴訟の特別の規定に従って審理が行われるのが手形小切手の支払いを求める訴訟です。この訴訟では判決を早期に言い渡す事ができるように証拠は書証と当事者尋問に限定されます。

(少額訴訟)

少額訴訟は簡易で迅速な手続きによって60万円以下の金銭の支払いを求める訴訟がこれにあたります。

【民事訴訟の申請の仕方】

申請方法は原告(訴える人)がまず訴状を作り裁判所に提出します。訴えられた被告は答弁書を作成し裁判所に提出する必要があります。その後に必要な書類は準備書面という形で提出し、証人や本人尋問が行われます。訴状提出から10か月位して弁論終結になり判決が言い渡されます。もし指定された期日に訴えられた人が出頭できない場合も答弁書によって訴えの主張を争わない内容であったり、分割返済を希望する旨が記載されている場合は5年を超えない範囲での分割払いを命じ和解に代わる決定を下すことになります。もしこれら一連の民事訴訟を弁護士などに依頼せずに行う場合は民事訴訟法、民法などの本を読みある程度勉強をする必要があります。

【まとめ】

私たちの生活では様々なトラブルが起こります。話し合いで解決するのが理想ですが金銭などが絡んだ場合は双方の言い分が異なりなかなか迅速に解決する事ができません。民事訴訟法ではこのようなトラブルを迅速かつ適正に解決するためのルールがあります。これに従って訴訟を行い進めていくことが民事訴訟の解決の近道になるとも言えます。