事業承継をする場合に知らないと損をする相続の流れ

事業承継・相続

中小企業の存続問題が取り上げられて約10年にもなりますが、会社の廃業をやむない場合が少なくありません。現経営者は、会社の将来を考えて、会社の事業承継の事を相続と併用して考えるべきなのです。今回は、「事業承継」と「相続」の関係とその流れについて紹介していきましょう。

■世代交代を考えるのは現代表(社長)が40代頃から準備する

会社の事業承継をする場合を考えたり準備したりする時期とは、子供や親族に後継者を託すには、子供が成人して会社の為に仕事や経営について学んでもらう頃が良いのではないでしょうか。約10年程度の時間をかけて会社の経営に参加してもらう事がベストでしょう。

しかし、子供といっても個人としての考えや生き方がありますので、事業承継をする為には「現経営者」と「現経営者」の意思の確約が必要になってきます。「現経営者」が引退する頃には「後継者」に断られては会社存続の危機や相続問題に発展する恐れもでてきます。

■事業承継をする計画の流れ

1- 事業承継の計画案の作成
1-1 会社の現状の把握と経営者候補
会社の状況を、資金や、社員の構成、設備の状況、主力事業、経営者の資産状況、後継者の候補などのリストアップをはかること。

1-2 承継方法や後継者の確定
子供を筆頭に、親族内での後継者選び又は、親族以外の役員(従業員など)の承継、M&Aによる合併や買収によって会社経営を委託すること。

1-3 事業計画案のまとめ
上記に示す会社の方針を事業承継の計画案としてまとめて作成すること。
「現経営者」は将来の会社の存続に対する意見を次世代に引き継げるように提示して、現在の会社の状況からどうすべきなのかを事業承継の計画案にそって執り行うこと。

2- 状況別の具体案
2-1 現経営者の子供(親族内)の承継
後継者を子供に託す場合の事業承継計画を公表すること。経営体制を固めていく。

2-2 後継者の為の教育
社内で一従業員として個々の仕事を把握して、経営者としては全体の流れをまなんでいく。

2-3 株式や個人資産の分配
法定相続人や親族内でトラブルにならないように株式や資産の分配を決定して遺言などの公文書によって確実なものにしていく事。会社法や経営者承継円滑化法の検討、事業承継の為の資金調達の検討をおこなうこと。

2-4 現経営者の個人資産の担保などの処理
現経営者が不動産や銀行借り入れなどで担保や保証について名義の変更などを行う。

3- 親族以外の承継について
3-1 会社役員や従業員の承継
会社内や取引先などの外部への理解をあおぐ。前経営者の親族の理解をはかること。

3-2 後継者の教育

3-3 経営権を掌握すること。MBO(経営陣による株式の購入)など「普通株式」だけではなく、他の種類の株式の検討を行う。

3-4 前経営者の個人保証や担保の移行を行う。

4-M&Aなど企業の合併や買収による経営権の移行
4-1 会社の合併や買収に社員の理解を求める。

4-2 仲介機関と計画の相談

4-3 会社の売却に向けた評価

4-4 M&Aの実行

■事業承継をするには子供(親族)のメリットが大きい

会社内外への後継者の表明に対して理解が得やすい事。事業承継における「相続」では、税制の免除と、株式の取得の為に「現経営者」が「後継者の為」に高額な保険に加入することで、保険金の配当による損金を会社の経費にすることで、自社株式の評価をさげることにつなげ、「株式購入の資金」と「株式の評価を下げる状況」を得ることで、自社株式の取得がスムーズに行えることが、相続を利用した最大のメリットとなるでしょう。