見える化による経営管理と業績向上の事例!

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見える化とは何でしょうか?言葉の意味合いや意図は分かっていても、見える化の大事さや必要性を芯から理解できていないという方は多いのではないでしょうか。見える化を理解し、良い企業を作る有効な手段として企業経営に取り入れるべきわけと、事例などについて見ていきましょう。

見える化とは

状況や問題点などを普段から見えるようにしておくことで、企業活動を行ううえで生じる様々な問題を気づきやすい状態にすることです。

問題を考え解決・分析するために行動し、結果を見る一連のサイクル「見える」→「気づき」→「思考・対話」→「行動」→「見える」による業務改善で強い組織を作る考え方です。目に見えにくいものを常に見えるようにすることで、状況やトラブル発生に対応できる状態にすることを見える化と言います。

企業が見える化を取り入れる理由

ビジネス環境の複雑化が進む中で、企業はより強い企業・組織であり続ける必要があります。戦略やマネジメント、財務状況を見える化する理由として次のことが挙げられます。

〇共有と作業効率
モチベーションがアップしたとしても、きちんと伝わり共有できなければ何のメリットもありません。逆に、社内に様々なアイデアが飛び交う環境があったら、会社の将来に希望を持つことができて仕事に対するやる気に繋がります。それに伴い、モチベーションや作業能率も上がります。

〇トラブルに迅速に対応できる
見える化は、ビジネス現場でもトラブルへの対応が可能になります。例えば、顧客から何らかの指摘を受け、クレームほどではないと聞き流していたとしても、他の社員からすればそれは立派なクレームになるかもしれません。

自己解決してしまうと後で対応が遅れるだけでなく、更に大きなトラブルに繋がる可能性もある為、見える化を実施することで、価値観や解釈のズレで見逃してしまっていたかもしれないトラブルも迅速な対応が可能になります。

〇全員が経営者の立場で考えることができる
同じ職場で働いていても、経営者と社員では置かれている立場や責任が違い、見える化にすることで、会社全体の経営状況を見ることができます。

見える化は経営が落ち込んでいるときも、全員が危機感を持って仕事に取り組み、責任感を持つようになります。

見える化の事例 ~企業の明暗を分ける~

見える化への取り組みを次の事例を参考に説明します。

財務三表の状態を知らない、気づかないは経営者失格

黒字倒産が起きてしまうのは、経営者が財務三表の状態を知らない、気づかないことで起こります。

〇損益計算書(PL)
〇貸借対照表(BS)
〇キャッシュフロー計算書(CF)

経営者は財務三表の財務状況の流れを見える化から把握し、会社の危機に気づくことが大事です。

黒字倒産になった事例、経営判断を誤った事例をある会社を例に紹介します。

損益計算書だけを重視した末路

ある会社で売上高は順調に増加し経常利益も順調に増加していましたが、収入と支出の差額を表す財務諸表のマイナスは膨らんでいました。

棚卸資産の在庫が急増し、損益計算書上では棚卸資産費用が掛かっているにも関わらず、従業員を増やして資金繰りに行き詰っていても、銀行から借り入れを続けていました。その結果、負債の返済見込みがないことが判明して倒産につながりました。

損益計算書だけを重視し、会社の財務状況を適切に見ていなかったために棚卸資産費用減少の対応をせず、雇用数を増やし、給料を上げるなどした為に倒産という結果になったのです。

見える化の導入事例

見える化の導入事例を紹介します。

物流センターの在庫管理システム導入

中小企業の物流センターは、ある一定の手順を踏まないと出荷することができない仕組みを作って在庫管理をしました。在庫数が問題となっていましたが、見える化導入後は在庫を常に確認するようになり、誤出荷も減り、前もって在庫補充ができるなどの業務改善を図ることができました。

在庫管理システム導入の見える化によって在庫数や注文数チェックを徹底した結果、成功と大幅な受注増に繋がりました。

IT企業で行った見える化

IT企業で共有のエクセルファイルに、エンジニアが抱えている仕事現状を書き込むことで見える化を行った結果、無駄な仕事や負担をなくし、仕事量を均等に振り分けることができるようになり、業務効率が大幅に改善されました。

まとめ

見える化することは、経営管理や業務改善、業績向上などに大きく役立ちます。大事ことは、様々な仕事の状況を把握してしっかり見極めることです。