企業には、常に様々な問題、課題、リスクが存在します。しかし、経営者はその違いについて十分に理解して経営を行っているでしょうか?
違いを理解していないと適切な対策を取る事ができません。改めてこれらの定義を確認し、それぞれの違いについて考えてみましょう。
【リスク・課題・問題の違い】
課題とリスクの大きな違いは、発生するタイミングにあります。課題とは、すでに起きている顕在化している事象を言い、リスクはまだ発生していない事象の事を言います。
また、リスクはどこかのタイミングで顕在化する事で課題に変わります。
課題は、問題に対して原因の所在を明らかにし分析した結果を言います。またプロジェクトの遅延があるタスクに対し、ソース不足であると分析された瞬間にそれは課題に変わります。
課題は、問題に対して解決策を効率的に導き出す為の方法で、何を課題として捉えるかによって解決の方向性は全く異なるものになります。
問題は、何か成し遂げようとする目的を阻害する現象や事象を表しています。例えば、プリジェクトが遅延しているという事は問題として捉える事になります。
問題に対する分析が甘い場合、課題の粒度が大きくなり、それを解決するための方法も漠然としたものになってしまいます。
【リスク管理と課題管理】
リスクは、現時点で顕在化していないものの、将来課題になる可能性のあるものを指します。リスクは不確実性のある事象で、且つそれに対する対策を事前に取っておかないとプロジェクトの運営上大きな課題となる確率の高い物から洗い出していきます。
このように考えると、リスク管理もまた課題管理とは別のプロセスで実施していくべきものだと言えるでしょう。
例えば、顧客から指摘された問題をそのまま課題管理として捉えてしまう事があります。
企業の課題管理表には、実際に課題なのか、リスクなのかを十分分析したうえでそれぞれ課題管理表、リスク管理表に分けて記載するのが正しい管理の仕方と言えます。
【マネジメント管理の重要性】
なぜ、課題、問題、リスクをそれぞれ管理しておく必要があるのでしょうか?多くの企業では、プロジェクト管理上の重要なタスクとして課題管理がありますがそもそも、課題というものを企業全体が明確に捉えていないとそれを管理する事は難しくなります。
まず、課題と問題、リスクの違い、課題の粒度を適切にする事が大切でしょう。
【まとめ】
課題や問題、リスクを管理する人達がそれぞれの違いについて十分に理解していなければ、課題管理や問題、リスクの管理にもばらつきが生じ管理する事は困難になります。
是非、自社における管理方法を統一し、何か問題が起こっても素早い対応が出来るように努めましょう。