経営者として必要な資質とは?

経営者のリスク

企業の舵取りを担う経営者。その役割は誰でも果たせるものではなく、それを行うに足る資質が必要と考えられています。では、どのような資質が必要となってくるのでしょうか? 経営者の基本的な役割と照らし合わせながら、考えていきたいと思います。

経営者の資質の共通性

経営者としての務めに取り組む上で有効となる資質には、どういったものが挙げられるのでしょうか?

それに関して、多くの著名な経営者の方々が自分の思うところを公に述べています。とは言え、人柄・性格・考え方は人それぞれ。経営者の資質についても、お1人お1人自分なりの答えを持っているようです。

成功している経営者そっくりそのまま真似したとしても、うまくいくとは限りません。これまで歩んできた人生の経緯をはじめ、あらゆる面で相違点のある別人格の手法をコピーしたとしても、置かれている環境や条件が異なります。そのため同じ結果に至るとは言えないところがあるでしょう。

資質についてもそれと同様と思われます。実力のある経営者が持論を示したとしても、それが万人に共通するものというわけではありません。

しかし、経営者も人それぞれとは言え、果たすべき職務に関しては一致する部分が多々あります。そういったところを焦点として考えるならば、資質についての共通点が浮き彫りにされるものと思われます。

経営者の役割

あらゆる経営者が共通して果たすべき役割。それは企業を維持発展させることと言えるでしょう。維持発展を目的に行う具体的職務としては、事業内容に関する職務・資金繰りに関する職務・人材に関する職務が主に挙げられます。経営者はそれらについての決定を下す役割を担うわけです。

1.事業内容に関する職務は、経営者の仕事のメインと言える部分でしょう。
企業として、どのような商品やサービスを社会および消費者に提供するのか、計画を練り実行に移すまでの段取りを立てる仕事に相当します。
採算の取れる事業展開が行えるかどうかが、成否を分ける鍵となります。

2.資金繰りに関する職務は、企業の収入および支出についての仕事に相当します。商品の生産費や開発費などに必要となる資金をどこにどれだけ配分するのか、資金をどのように調達するか、そういったところを検討する部分となります。
財務や経理の状態を正確に把握することで、適正な判断に繋げられます。

3.人材に関する職務では、従業員の労働力をいかに事業運営に反映させるか検討します。従業員のモチベーションを高めるための施策や社員教育・適材適所の人材配置など、企業の維持発展のためそこで働く人々のマネジメントに関する部分と言えるでしょう。

役割を担う上で有効となる資質

前項で挙げた、あらゆる経営者に共通する3つの職務について有利に働く資質とはどのようなものが考えられるでしょうか。

まず、3職務全てにおいて有効となる資質としては、論理的な思考力・コミュニケーション能力、といったところが挙げられます。

物事を論理的に展開しそれを基に方策を導き出す能力に長けていれば、現実性の高い計画を立てられるでしょう。また、高いコミュニケーション能力は、他者の意見をまとめ挙げるリーダーシップや、人脈を広げる能力、交渉力などにも活かすことができます。

事業内容に関する職務については、論理的思考力に加えて判断力・決断力などが強みとなる資質と言えます。

事業計画を有利に進めていく際には経営戦略を持つことが有効ですが、それが論理的であればより強固なものとなります。それに基づくことで、世の中の流れを見定める先見性や、新たなニーズの創出など、事業発展に活かせる部分が見出されることでしょう。
それを実行に移す決断力が備わっていれば、チャンスを逃す事態を免れます。

資金繰りに関する職務について、論理的思考力やコミュニケーション能力が有効となります。
論理的な経営戦略の観点から企業の財務状況を見ることで、収入支出に基づく状況分析が的確となり、企業の発展により効果的な資金配分が可能となるでしょう。また、コミュニケーション能力に基づく交渉力を活かせば、資金調達力アップにも繋げられるでしょう。

人材に関する職務についても、論理的思考力やコミュニケーション能力が活用できます。
論理的な経営戦略に裏付けられた業務の効率化や従業員のスキルアップなど、企業の維持発展に効果のある人事が行えるようになるでしょう。
従業員の労働意欲を高める上で、会社と従業員個人の信頼関係を高める施策が有効です。それを考える際に、コミュニケーション能力に基づくメッセージ力や共感性を活かせばより効果的となるでしょう。

まとめ

以上のように、経営者に共通する職務である事業・財務・人事の観点から、それらに有効な資質として論理的思考・コミュニケーション能力・決断力などが挙げられることを見てまいりました。
これらのみならず、自分なりの個性や考え方を活かすことにより、さらに経営者としての魅力を高めることができるものと思われます。