経営者が主人公であったり、経営手法を題材にした映画作品はたくさんあります。古今東西の偉人がなした仕事を通して、ビジネスをする上での本質を学ぶことが可能です。今回は経営がテーマの映画をいくつか紹介し、リスクマネジメントに焦点を当てて解説いたします。
なぜ映画で経営を学ぶのか?
映画を見ることのメリットは、経営者の人生を視覚的に捉えることができるという点です。偉人であろうとも同じ人間には違いありません。彼らは時に傷つき、挫折し、それらの苦難と向き合って歴史に名を残したのです。
その生き様を知ることこそが、まさに最大のリスクマネジメントであると言えます。偉人たちがいかにしてリスクと向き合ったのか、映画を通して感じ取ることができるでしょう。以下に、特におすすめの映画を3点ほど紹介いたします。
スティーブ・ジョブズ
2015年に公開されたアメリカの映画です。アップル社を共同設立し、iPhoneやMacBookなどの革命的なアイデアを生み出し続けた天才の生き様が描写されています。彼は経営者としてだけでなく、プレゼンテーションの天才とも言われていました。
この映画から学べることは、コミュニケーションの大切さです。ジョブズはどんな状況においてもコミュニケーションを重視し、それによって数々のピンチを乗り越えています。どんな戦略や経営方針も、これがなくては成り立たないことを思い知らされます。
エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?
2006年に公開されたアメリカのドキュメンタリー映画です。パイプラインを牛耳る巨大企業エンロンが、大規模な不正会計が元となって破綻する過程が描かれています。経営陣が私利私欲に走った結果、当時にして160億ドルという莫大な負債を抱えるにいたりました。
この事件によって、エンロン社だけではなく、加担した監査法人、ひいては会計士の存在そのものが脅かされる結果となりました。会計業界ではいまだに黒歴史と呼ばれ、この映画はジョブズのときとは逆に、経営における反面教師として見ていただきたいところです。
もし高校野球部のマネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら
通称「もしドラ」、2011年に公開された日本の映画です。原作は小説であり、アニメ化もされています。弱小野球部の女子マネージャーが、経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカーの「マネジメント」を読み、成功に導くというサクセスストーリーです。
ドラッカーの理論がわかりやすく解説されていることに注目したいですが、物事の本質をつかむことがいかに大切であるかを学ぶことができます。原著が難解なだけに、映画で知ることは有益です。道具とは使う者次第であるということは重要な教訓であると言えます。
まとめ
経営者にまつわる映画を紹介してきました。鑑賞する際に大事なことは、物事の表面だけではなく、核となる本質をつかみ取ることです。偉大な経営者の存在を通して、経営ひいては人生でもっとも大切なことを学び取ることができるでしょう。