上場企業を中心として、「社外取締役」を設置する会社が増えつつあります。
社外からわざわざ取締役を招くことは、企業を成長させたり健全経営に繋げたりなど、様々なメリットがあるともいわれています。
そこで、なぜ社外取締役が必要なのか、設置する理由とその役割について説明していきます。
社外取締役とは
「社外取締役」とは、社外から招いた取締役です。
「取締役」は、企業の業務執行に関して意思決定をする重要な役割を担っています。
しかし社外取締役は社内で昇格した人ではないため、社内の利害関係にとらわれることなく任務を遂行できます。
欧米では社外取締役を設置することは当然とされており、取締役の半数以上は社外取締役が占めています。
日本も改正会社法が成立したことで、上場企業などを中心とした社外取締役の設置が増えつつあるようです。
取締役を社外に置くメリット
社外取締役と社内取締役の違いとして挙げられるのは、「客観性」の有無です。
社内取締役の場合、社内で昇進した社員ですが、社外取締役は利害関係のない社外から取締役として迎えた人物です。
他の取締役や企業との利害関係はないことから、あくまでも第三者の視点で経営状況の意見を得ることができます。
上場企業は社外取締役設置義務あり
2021年3月1日に改正会社法が施行されたことで、上場企業では社外取締役を設置することが義務化されています。
社外取締役の仕事と役割
社外取締役を設置した場合、具体的にどのような仕事を担当してもらうのか、期待される役割は以下のとおりです。
・取締役会への参加
・コーポレートガバナンスの強化
・株主と経営陣との橋渡し役
・客観視した上での助言
それぞれの内容を説明していきます。
取締役会への参加
取締役会は会社の方向性や事業戦略など決める重要な会議です、参加して意見を述べることが期待されています。
コーポレートガバナンスの強化
社内取締役のみの企業の場合、業績を上げることに執着して不正行為を行うリスクもあるといえます。
社外取締役が第三者の視点で監視すれば、不正を未然に防ぐことができるでしょう。
株主と経営陣との橋渡し役
社外取締役は株主と経営陣の橋渡しとしての役割も担うため、株主の意見を伝えるといったことも行います。
客観視した上での助言
経営陣が無理な戦略を進めようとしているとき、社外取締役が客観的な見方で反対の意見を述べるなど、助言をすることも必要です。