企業が節税対策に「タックスヘイブン」を使うといった話を耳にしたこともあるでしょう。
タックスヘイブンとは租税回避地のことですが、法人税の税率などが低く設定されている地域を意味します。
そこで、タックスヘイブンとはどのような場所なのか、税対策に使うメリット・デメリットについて解説していきます。
タックスヘイブンとは
「タックスヘイブン」とは、「租税回避地」や「低価税地域」と呼ばれる国や地域のことです。
課税の完全免除や著しい軽減など、法人税や所得税などの税率が非常に低く設定されています。
富裕層や企業などは、利益をあげたときに課税されることを避けようと、たとえば本社を便宜上タックスヘイブンに登記することで課税額を低く抑えることができます。
もともとタックスヘイブンは、経済力の弱い地域や外貨獲得のために税制上の優遇措置を地域外の個人や企業にも戦略的に設けるというものです。
税制は国や地域の主権に委ねられているため、他国の課税有無や税率に干渉することはできません。
そこで、会社設立や口座開設のハードルを低く抑え、国や地域の規制を少なくすることで、外貨を獲得しやすい環境を整備しています。
タックスヘイブンの代表的な国や地域は以下のとおりです。
・ケイマン諸島
・ヴァージン諸島
・ルクセンブルク
・モナコ
・米国東部デラウェア州
タックスヘイブンのメリット
タックスヘイブンのメリットとして、多額の資金を保有する個人や利益が多く上がる企業などは節税効果が期待できることであり、収益や納税に関する情報も公開されにくい秘匿性も守られることです。
タックスヘイブンのデメリット
反対にタックスヘイブンのデメリットとして、次のようなことが挙げられるでしょう。
・各国で合法であっても健全な節税に見えないためグレーゾーンとみなされやすい
・マネーロンダリングに悪用されるリスクがある
・タックスヘイブン利用を知られると社会的に信頼を失うことがある
上記のようなデメリットもあり、犯罪などに使われることが懸念されることから、将来的にはタックスヘイブンの利用も制限される可能性はあります。
すでにEUはタックスヘイブンについて、2017年からは情報開示に非協力的な国や地域をブラックリスト化・公表しています。
2019年に公表されいたEUのブラックリストには、ヴァージン諸島・ドミニカなどの15か国を挙げ対策も強化するとしています。