最近急増している労働問題について!残業時間と死亡率の関係

経営者のリスク

日本の労働時間の長さは世界でもトップクラスで、いまだに残業することはよい事だという風潮があります。いつも終電間際まで働き、ろくに寝る時間がないまま翌朝を迎える、そんな日々が続き心身共に疲れ果てて、最終的に死を選ぶ若者も少なくありません。
終身雇用制度のなくなった現代、私達はこのような深刻な問題にどう対応していけばよいのでしょうか?

【雇用の安定が崩れ更に深刻な問題に】
過労死は、1960年~1970年代にも同様に起きていましたが、近年その状況はされに深刻になっているのです。当時と大きな違いは昔は終身雇用制度があったため、頑張って働いても定年まで勤められる保障があったということです。しかし、近年はこの制度が崩れ労働者の雇用は安定していません。
厚生労働署の調査によると、年間の過労死は数百件もあるとされています。これらの中には、心臓発作、脳卒中、自殺も含まれていますが、実際の過労死数はこれ以上多いと推測されます。

【死亡率があがる境界線と古くからの風潮】
日本では、月の残業時間が80時間を超える従業員のいる企業は、全体に4分の1を占めており、更に12%の企業は月の残業時間が100時間を超える従業員がいることもわかっています。
残業時間と死亡率の関係を見てみると、死亡率が上がる境目とされるのが月80時間以上の残業です。
長時間労働を防ぐために国としても様々な対策を取っていますが、今までの社風をいきなり変えるのは難しく、古くからある日本の労働文化も容易に変えることはできないでしょう。
更に、有給休暇があっても取得しにくい職場が多く全体の35%は有給休暇をほとんど取得していないという実態も浮き彫りになっているのです。

【残業できる法的上限】
東京都のある区役所では、職員が残業をせずに早く帰宅できるように午後7時には庁舎内を一斉に消灯するという対策を取っています。
残業を減らす事で、就業時間内に効率よく仕事ができるように生産性を上げて、その結果早く帰れる、自分の自由な時間を確保できる、社員のモチベーションも上がる、などの良い循環が生まれることが期待できます。
もっと多くの、企業がこのような対策を積極的に取りいれるためには、やはり従業員が残業できる時間に法的上限を設けることでしょう。
企業は、目先の利益だけに捉われていると、大切な労働力を失うリスクがあることを十分に理解すべきです。日本企業は労働時間の長さではなく、労働生産性においてトップクラスになれるように努力すべきです。