経営者の略歴が問われる際、有利なアピールに繋げるための方法とは

経営者のリスク

事業を興す際に、融資を得るべく創業計画書を作成するのも、経営者にとって大切な役割の1つです。その場面で、経営者自身の略歴が成否を分ける局面になることも充分にあり得るでしょう。略歴に関して有利にアピールするためには、どのような方法が考えられるでしょうか。

経営者の略歴に焦点が当てられる場面

企業経営を進める際、欠かせないものが資金です。それを確保するための重要な手段の1つに位置付けられるものとして融資が挙げられます。大まかに言えば、事業を行うために金融機関などから借り受けるお金のことです。とは言え、利益を作り出すために借りるお金を意味するため、一般的な消費行動に使われる借金とは性質的に異なると言えるでしょう。

融資の返済については主に、元金と利息を合わせた金額が求められます。金融機関の立場から見れば、返済金を滞りなく回収できるかどうかという点が、融資を決定する際の条件となるわけです。そのことを踏まえ、融資を受ける経営者側としては、自社に融資するメリットがあることを金融機関に納得させなければなりません。

その判断材料の1つとして、経営者が金融機関側に示す文書に、創業計画書または事業計画書があります。

創業計画書と事業計画書は、いずれも経営者が主導する事業について、どういった内容なのかを説明した文書に相当します。

そのうち、創業計画書は、これから操業を開始する立ち上げ間もない企業が提出する計画書です。対して事業計画書は、経営が軌道に乗っている企業が作成するものとなります。

事業計画書では主に、企業のこれまでの成果や業績について評価が問われることになるでしょう。一方、創業計画書においては、これから事業に着手するという段階にあるため、企業として示せる実績がまだありません。

収益を挙げられる事業なのかという確実性が融資可否の大きな判断材料となり、それに付随して事業を取り仕切る経営者の経歴が注目されることになります。企業にまだ実績がない代わりとして、経営者自身の資質に融資判断材料としてのウエイトが課されるというわけです。

略歴を示す際のポイントとは

起業して間もない企業が融資を求める際に提出する創業計画書では、経営者の略歴を記す項目が特に重要な部分となってきます。

書き方としては基本的に、経営者自身の学歴や職歴・取得している資格・受賞歴などに即して記していく形となります。

事業の分野に活かせる経験や知識を獲得してきた経歴であれば、大きなアピール材料となるでしょう。また経歴の示し方について、起業を視野に入れて着実に実績を重ねてきた内容にまとめれば、事業の計画性について説得力をアップさせることにも繋がります。

これまでの職業経歴やその他の経験を通してどのような職業能力を得てきたのか、示すことも有効です。学歴や資格などのように、スキル獲得の証明が可能となるものを取得していなかったとしても、具体的に何を学び身に付けることができたのかアピールすることができます。

転職が多い経歴である場合、職歴を列挙する書き方をしてしまうと長続きしない人物と見做されるリスクが否めません。しかし表し方を変えることによって、リスクを強みに変える方向性も見出せます。それぞれの職歴について、どのようなスキルを獲得してきたのかという形で示せば、様々な分野の経験を積んできた人物という評価にも繋げられるでしょう。

まとめ

以上のように、経営者の略歴の有効な示し方について、金融機関から融資を受ける際の創業計画書への記入法という観点から見てまいりました。融資交渉以外でも、経営者としての略歴を提示する様々な局面において活用できる手法かと思われます。