企業が社会的な信頼を失う事態に追い込まれるきっかけは、たとえば不正や不祥事などです。
ブランドイメージ低下に社会的信頼の失墜などの状態に追い込まれれば、信頼を取り戻すまで多くの時間や費用がかかります。
そこで、不正・不祥事を未然に防ぐための取り組みとして、多くの企業の社長は「コーポレートガバナンス」を強化することに取り組んでいます。
そこで、企業経営する社長が強化に取り組んでいる「コーポレートガバナンス」とは何なのか、重視される理由やその目的について解説していきます。
コーポレートガバナンスとは
「コーポレートガバナンス」とは、企業が組織ぐるみで行われる不祥事を防ぐため、社外の管理者で経営を監視する仕組みを指しています。
「企業統治」と呼ばれることもあり、会社は経営者ではなく資本を投下する株主のものといった考えに基づきます。
株主や利害関係者の利益を最大化するために、不祥事を防ぎ長期で企業価値を向上させることを目的に、次の2つを行います。
・社外取締役・監査役・委員会の設置
・取締役と執行役を分離する
国際的に重要度が高まったことで、日本でもコーポレートガバナンスについて注目されるようになりました。
すでに金融庁と東京証券取引所は「コーポレートガバナンス・コード」をガイドラインとして公表しており、上場会社では必要不可欠といえます。
コーポレートガバナンスが重視される理由
日本でもコーポレートガバナンスが重視されるようになったのは、次の2つが関係します。
・企業の不正や不祥事が増えたこと
・国際的な競争力を強化することが必要になったこと
1990年代にバブルが崩壊してからは、企業の不正や不祥事が発覚することが多くなり、経営を監視しなければならなくなったといえます。
さらに経済がグローバル化したことで、外国人投資家が持ち株を多く保有するようになったことも、国際的競争力を強めることも必要になったといえるでしょう。
コーポレートガバナンスの目的
コーポレートガバナンスの目的として挙げられるのは、主に次の3つです。
・企業経営における透明性を確保すること
・ステークホルダーを尊重すること
・中長期で企業価値を向上させること
それぞれ説明します。
企業経営における透明性を確保すること
まずは企業経営の透明性確保ですが、コーポレートガバナンスを取り組むことで経営戦略・財務状況・リスクマネジメントなどを適切に管理でき、透明性が高まれば不正や不祥事を防ぐことができるでしょう。
ステークホルダーを尊重すること
企業が活動を継続するためには、取引先や投資家などステークホルダーに利益を還元することが必要です。
コーポレートガバナンスを強化させることで、独善的な意思決定や組織ぐるみの不正・情報漏洩などのリスクを防ぐことができます。
中長期で企業価値を向上させること
中長期的に企業価値を向上させることができれば、透明性の高い経営が可能となり、出資や融資を受けやすくなります。