工場、店舗、工事現場など、企業には、いわゆる現場と呼ばれるセクションがあります。「現場」とは、生産活動を行う、顧客と一番近い部署になります。つまり、企業の収益を生み出す中心となっている部門と言うことです。経営者は、この「現場」といかに接点を持ち、より収益を上げる仕組みを作っていけるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
「収益を生み出す現場」を知る
小さな小売店や工場では、事務機能と現場が同じ場所か、隣接している場合であれば、現場の状況は経営者にも比較的わかりやすいのですが、会社の規模が拡大すればするほど、経営者と現場との距離は離れていく傾向にあります。
現場の声が、経営者に届くような仕組みを作ることは重要です。しかし、それだけでは正しく確実な情報を得ることはできない場合があります。また、現場の従業員からは自らの首を絞めるような不利な情報は伝わって来ない場合も多いですし、現場では見落としがちな重要な問題点が隠れている可能性もあります。
経営者自ら現場を訪ねる
経営者が考える事業の在り方が、現場に落とし込めていなかったり、現場では見落としがちな問題があったりするなどの課題は、経営者自らが現場に出向かなければわからないものです。
現場の課題を見つけるためには、現場へ経営者自身が足を運び、従業員や顧客の様子を検分していくことが望ましいです。また、経営者の方から働きかけ、現場での改善してほしい点や課題などについて率直な意見を求めることも必要です。
これは、正確な意思決定の重要素材となり、生産性のアップなどにもつながります。経営者は、気まぐれに訪問するのではなく、日常的に現場を見てまわる習慣を身に付けた方がいいでしょう。
経営者と従業員とのミーティングを定期的に開催する
しかし、現場の従業員にとって、経営者はどうしても身構えてしまう存在です。仕事上の不安や不満があっても中間の管理職を通じてでは、生の声を拾い上げることは難しいものです。
参考にしたいケースでは、年に数回、経営者が従業員と面接をしている企業などもあります。そこでは、新しくチャレンジしたいこと、仕事の進め方、仕事や企業への不満など、多岐にわたる問題について率直に意見交換をするように努めています。
経営者との面接となると、従業員は委縮してしまいがちですが、継続していくことで本音をくみ取ることができるようになります。このようなミーティングや面接などコミュニケーションの機会を意図的に作っていくことも必要です。
経営者が相手では、緊張して思うように伝えることができない従業員も少なくありませんが、生の情報を得るには現場の声に耳を傾けることが経営者に必要になってきます。現場の声を聞くことで円滑な企業経営、リスク回避につながります。
まとめ
企業が健全な発展を遂げるためには、経営者が現場の生の声を拾い上げることが大事だということをお伝えしてきました。経営者は、努めて現場の声を聞く姿勢と工夫が必要です。企業運営にお役立てください。