事業承継でよくある失敗事例!失敗しないための2つの秘訣

事業承継・相続

経営者の大きな仕事の一つともいわれる「事業承継」ですが、事業承継には余裕をもった計画と、経営者の心構え、後継者の育成、承継時にかかる資金作りなど様々な事前準備が必要になります。事業承継で起こりやすい失敗例から、失敗しないための秘訣を考えていきましょう。

 

【失敗例その1、準備不足】
ある企業の社長は、カリスマ経営者と呼ばれ取引先や、銀行の融資、従業員への指導、育成もすべて一人でこなす経営者でした。しかし、「自分はまだまだ元気だから事業承継なんて関係ない」と何の準備もせずに過ごしていたところ、突然病に倒れ急逝してしまいました。
社長には、息子がいましたが、何の準備も、育成もしていないまま会社を引き継ぐことになってしまったため、息子は一人あたふたして何から手を付ければよいのかわかりません。
また、取引先や、融資を受けていた銀行からも経営に対して不安視されるようになり信用や信頼も一気に無くなってしまいました。結局息子は引き継いだ事業をうまく継承することができず、失敗してしまいました。
経営者は自身が元気であるうちは、後継者のこと、事業承継のことなど考えもしませんが、早めに事業承継の準備に取りかかっておくことが大切です。

 

【失敗例その2、相続争いが勃発】
事業承継で多いのが、複数の相続人がいる場合の相続争いです。ある企業の社長には、子供が3人いました。どの子供にも平等に会社の権利を相続させようと考え後継者である長男以外の2人にも株式を分配しました。
ところが、社長が亡くなったあと、兄弟間で相続争いが勃発して、株式を保有する2人の兄弟が会社経営の邪魔をするようになったのです。最終的に、事業を継続していくことが困難になり、長男は事業に失敗しました。
このような相続争いから、事業が失敗するケースは少なくありません。会社の支配権である株式や、事業用資産は後継者に引き継がせることが基本です。ほかの兄弟には、会社の資産や、株式以外の死亡保険金や自宅などを相続させて事業に支障が出ない様にしなくてはいけません。

 

【失敗をしないための秘訣】
事業承継で失敗をしない秘訣は、やはり事業承継の早めの対策と、後継者選びの適切な目が重要となります。まず、現経営者が50歳を迎えたら経営理念の伝授と事業承継の準備に取り掛かりましょう。これは後継者の育成に最低でも5~10年かかると言われるためです。
次に、経営者には優秀な後継者選びの目も必要になります。身内だからと言って気力、意欲、意思、経営能力のない人物に事業を承継させても失敗に終わるだけです。
これらを頭に入れて経営者は、事業承継の時期を誤らずに早めに準備を始めましょう。