企業活動におけるリスクコストとはどんなものでしょうか?企業におけるリスクコストの意味や、リスクとコストの関係についてみてみましょう。
【リスクコスト】
リスクコストは下記のような4つの要因により構成されます。
・正味保険料
・保有損失
・リスクコントロール費用および損害防止費用
・リスクマネジメントに関する管理費用
一般的にリスクを上げるとコストは下がり、逆にコストを下げるとリスクは上がります。コストとリスクが交わる点が最小のコストで最大の価値を発揮する事ができる均衡点と言えます。リスクとコストの関係を具体例でみてみましょう。高度成長期には多くの企業で積極的に設備投資が行われましたが現在はそれらの設備の入れ替えの時期にきています。しかし不況に陥ってしまった為設備の入れ替えが出来なくなり、企業は必要に迫られてベテラン社員達を削減する事でコストの削減をしました。経験の浅いエンジニアは古い機械を扱う事ができず事故が頻発するようになりました。このような事態が起きた背景にはコストを必要以上に下げた為リスクが増大したことがあると思われます。
【リスクマネジメントの導入】
もし企業が効率的なリスク対策をしていれば重大事故が起きる確率は低く、企業も多くの損失を被る事はなかったでしょう。事故が起きなければ経営も安定し信頼を失う事もありません。このようにリスクマネジメントを導入するメリットは損失の軽減やコストを下げる事だけではなく企業の価値を高める事にも繋がるのです。リスクを小さくすれば何か問題が生じてもコストを最小限に抑える事ができます。このようにリスクとコストは密接な関係があるからこそリスクのコントロールがコスト削減につながるのです。
【リスクを取る】
リスクを取るというのは何の勝算もないのにみやみに危険を冒すという意味ではありません。リスクを十分認識し、あえて挑戦する事でリターンを得る事ができる事を言います。リスク要素を認識し発生するリスクに対して対応を準備し損害を最小限にする事なのです。
【まとめ】
リスクを上げるとコストは下がり、逆にコストを下げるとリスクは上がる事が理解できたでしょうか?このようにリスクとコストには密接な関係がある事がわかりました。また企業にとってリスクマネジメントの導入の大切さもわかったと思います。このような対応策を考える上で忘れてはいけないのが対策にかかるコストです。リスクが起きた時の損失予測額を数字で表し対策にかかるコストと比較して考えると企業にとって最も有効な対策を取る事ができるでしょう。