社長に就任したら、自分の家族とともに会社のリスクを一手に背負う事になります。社長が背負う事になるリスクにはどのようなものがあるのか見てみましょう。
【社長のリスク】
株式会社の場合は、会社が倒産した場合の社長のリスクは自分の出資金の範囲内での責任が出てきます。
逆にそれ以上の責任はなく、私財を会社の債務の弁済の為に提供する必要はありません。
しかし、中小企業の社長の場合は金融機関や取引先などと取引をする際に連帯保証人になっているケースが多く、会社が倒産した場合その責任を問われます。
また、場合によっては社長の奥様も保証人になる事もあります。事業に万が一の事があった場合には、全財産を失う危険や、家屋敷まで担保に取られるリスクもあります。
社長の責任には会社に対する責任、第三者に対する責任、刑事責任等の３つがあります。
それぞれのリスクを見てみましょう。
【第三者に対するリスク】
第三者に対する責任としては、賠償責任があります。これは、自社の製品を使用した消費者の財物や、身体に損害を与えた場合の損害賠償責任があります。
また、現在のような情報社会では消費者の個人情報漏洩に対する損害賠償も問われる事があります。
更に消費者が商品について間違った使い方をした場合の企業側のリスクもあります。例えば電気製品などで消費者が正しい使い方ではなく間違った使い方をした場合に、火花が出て消費者がやけどをするリスクなどがあります。
このように、第三者に対するリスクは意外と多く存在するのです。
【刑事責任のリスク】
社長は、従業員が法律に違反するような犯罪を起こした場合や、商品について法に触れるような場合は刑事責任を問われる事があります。
例えば、社員が取引先まで荷物を搬入している途中に交通事故を起こしてしまい第三者に損害が生じた場合には、社員だけが責任を負えばよいというわけではありません。
このような場合は、会社の社長にも車両は過積載をしていなかったか、社員の睡眠不足や、長時間勤務、過労等がなかったかなどの使用者責任が生じます。
社長は、社員が犯した罪の民事上の責任、被害者への賠償責任を問われる事になります。
【まとめ】
以上のように会社の社長には、様々なリスクや責任が生じてきます。
場合によっては、代表者やその家族の私財も処分されるケースもありますので社長が負う事になる経営責任、賠償責任、刑事責任等についてはしっかりと理解しておく必要があります。
