日本の深刻な労働問題!近年急増している過労死を防ぐには

経営者のリスク

日本の深刻な労働問題のひとつとして、過労死が挙げられます。
近年、電通の新入社員が過労自殺した報道を受け厚生労働省は過労死防止策に緊急対策をまとめました。
日本は先進国の中でも、働きすぎる人種と言われています。
過労死を防ぐにはどのような対策があるのでしょうか?

 

【過労死とは】
過労死は、仕事によるストレスなどが原因でうつ病などの疾病が発症し、死亡することを言います。
死亡に至るまではさまざまで、うつ病の結果自殺をしたり、脳卒中や、心臓病を患い突然死したり、重篤な喘息の発作を起こし死亡したというものがあります。
日本で過労死が広く知られるようになったのは、今から約30年前、1980年代からです。
厚生労働省が把握している過労死の数は、年間で200人程度ですがこれは氷山の一角に過ぎず、一命を取りとめた人でも重度の障害などに苦しみ長期の療養を要している人は多くいるのです。

 

【電通過労死事件】
大手広告会社の電通の新入社員が、過労死した事件は多くの人の記憶にも新しいと思います。
電通は、複数の社員に違法な長時間労働をさせていたうえ、社員には勤務時間を少なく申告させていたなど多くの問題が指摘されました。
東大を卒業後、電通に入社した高橋まつりさん(当時24歳)は、1ヵ月に105時間もの残業で長時間労働をさせられうつ病を発症していました。
入社から9か月後のクリスマスに社員寮で飛び降り自殺をした高橋さんは、後の厚生労働省の強制調査によって長時間労働が原因となった過労死と認定されました。

 

【過労死を防止するためには】
高橋さんのような過労死をした遺族が中心となった市民運動などによって、国会でも過労死等防止対策推進法とういう法律が成立しました。
この法律によると過労死を防止するのは、国の責務であると明記されています。
しかし、過労死を防ぐためには、国だけに頼ってはいられません。
過労死を防止するためには、下記のようなことを経営者、労働者、国が頭にいれておくべきです。
・ドイツやスウェ―デンなどに学び短時間でも効率よく働ける方法や、システムを経営者が学ぶこと
・政府も過労死について真剣に取り組み、法律の改正、行政の監視の徹底、国家権力を適切に使用していくこと
・国民も労働者の人権について学び、これらをしっかりと主張すること、経営者や国に対しても積極的に批判や意見を言うこと、などが重要になるでしょう。

 

【まとめ】
長時間労働による働きすぎが原因で、過労死するリスクは、ひと月に100時間以上の残業を行った場合に高まると言われています。
過労死を防ぐためには、国や会社だけに頼るのではなく労働者ひとりひとりが自身の身を守るために正しい知識を持って、時には雇用主に意見を言う勇気も必要でしょう。